１st dessert 「 Candy 」 by Kazunari ページ1
遅く起きた平日の朝。
朝、といっても。
もう昼、と言った方がいいくらい
太陽は高い位置で輝いていて。
南に向いたベランダからは
春の暖かい日差しが射しこんでいる。
ケースをゆっくりと開けて
頭部管を取り出す。
続いて胴部管、足部管も取り上げて
順に組み立てていく。
楽譜立てを調節してから一つ深呼吸。
心を落ち着かせて。音を奏で始めようと
フルートを構えたその瞬間、
後ろからトンッと感じた、心地良い重み。
と同時に。胸の前にまわされた華奢な両腕。
「....はよ」
耳元から私の中へと。
甘く、くすぐったく
響き伝わってくる
大好きなあなたの寝起きの声。
少しかすれて色っぽい。
「おはよ。あ、起こしちゃった？
ごめんね、夕方からレッスンで」
吹くのをやめようとしかけたら。
「いーよ。続けて？」
なんて笑顔でつぶやいたカズ。
そういうくせに。
抱きしめる腕は
ちっとも離してくれっこなくて。
そのまま背後から。私の座るスツールに
ストンッと一緒に腰を下ろす。
「(苦笑)うまく吹けないよぉっ(＞＜)」
「んふふ♪」
冗談でちょっぴり睨むふりしたら。
合う目と目。
次の瞬間、どちらからともなく
クスクス笑みがこぼれ合って
唇を重ね合っていた。
唇の角度を変えるたびに。
少し寝ぐせのついたカズの前髪が
私のおでこや髪にさわさわと触れる。
その甘美で優しい感触に
身を委ねるようにして。
その柔らかい髪を梳くように
指を通して愛でていく。
それは胸の中をくすぐるように
甘く広がっていく幸せの感触。
....どうしてだろう。
こんなカズ。なんだか珍しい。
上手く言えないけど。
なんというか。
すごく、すごーく.....
思わず薄っら目を開けて
カズを見たら。
私の気配を感じたのか、
次の瞬間、ふっと目を開けた
カズと目があった。
「....なに？」
「ううん、何でも。ないっ....」
「...なんか考えてたろ？言えってっ」
「なんでもないよぉっ(＞＜)」
「A(怒)」
「ひゃぁっ///」
その瞬間、後ろから
力いっぱいぎゅうっとされる。
でも。それは一瞬のことで。
その言葉と瞬間とは裏腹に。
すぐに優しいハグへと変わっていく。
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かこ(プロフ) - あややさん» コメントありがとうございます( 〃▽〃)私もこのストーリー達お気に入りです♪翔さんの許されない恋話、初の試みでしたがとても筆が進んでいた記憶があります。またショートストーリーをお届けできたらいいな。 (2020年11月20日 9時) (
レス) id: b8311bc339 (このIDを非表示/違反報告)
あやや - この作品は大好きで、5人5通りそれぞれがぴったり当てはまり何度も読み返してしまいます！！また、読み返してしまいましたー！！いつも、素敵な作品ありがとうございます！ (2020年11月17日 15時) (レス) id: a11274dd88 (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - 嵐loveさん» このシリーズは。もう、最後の潤くんストーリーが書きたくて始めたものです。やはりここでも翔さんは禁断の恋を。この頃はまだ智くんをうまく書けなかったので短めです(笑)こちらのストーリー集もお読みいただきありがとうございます(//∇//) (2015年7月18日 16時) (レス) id: ae2a9fb09b (このIDを非表示/違反報告)
嵐love(プロフ) - 読みました。最後の潤君のお話は、少し感動しました。また翔君のお話は、ドキドキしました。ニノは、一番短いストーリーなのにきちんと気持ちが伝わりました。相葉ちゃんのは、キュンキュンしました。大ちゃんのは、心が温かく為りました。どれも良かったです。(^_^) (2015年7月12日 20時) (レス) id: 124a98dc04 (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - 玉森優奈さん» ありがとうございます(///∇///) 新年からうれしいお言葉♪今年もよろしくお願いします(*^^*) (2015年1月3日 9時) (レス) id: ae2a9fb09b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かこ
| 作成日時：2014年12月26日 9時
