マイ・ガール 【Jun Matsumoto】 第3章

98. 落ち着かない気持ち ページ6

「...さっ！俺の話はもうおしまいっ。

　それより桜井の方こそ、
　ちゃんと彼氏と連絡取ってるのか？
　離れて２、３か月目ってのが
　油断すると危なくなり始める時期だぞ？

　最近の桜井見てると。
　うまくいってるような顔には
　見えないんだけど？」

「あ...」




そんなに顔に出ていたのかな(＞＜)

会社にいる時はちゃんとしようって
意識していたつもりだったのに。

すっかり悟られていたなんて
恥ずかしくなる。








...うまくいってないわけじゃない。

じゃあ。”うまくいってるのか”
と問われたら。

それもまた今は自信が持てない。


それは距離のせい？
ううん、きっとひとえに
自分の気持ちのせいで....



こんなんじゃダメだって
わかってる。

離れているからこそ。
いろんな想い。
伝え合わなくちゃいけないのに。
隠し事なんてしちゃいけないのに。



こんなんじゃ私たち.....









「....あいつさ」

「えっ」



その時。つとつぶやいたセンパイ。



今、『あいつ』って言った？
それって潤のこと....？



でもその続きを口にすることなく
センパイはにこっと笑って打ち消した。




「や。何でもない。
　さ、飲め、飲めっ。
　こないだのお礼、
　ここは俺のおごりっ(^^)」

「え、そ、それはいいですっ、
　さすがに悪...」

「いーのっ！あ、すいません、
　生もう２つお願いします」

「あ....」




あたふたする私に構わず。
ビールをオーダーし、またカチリと
笑顔でグラスを合わせるセンパイ。




もしかして....センパイ、
私を元気づけようとして....?









それからは。

またいつもと同じように
流れる心地よい時間。







でも。私の気のせい？



時々、センパイと目が合うたびに。
やっぱりいつのと違う気がして。

どこか落ち着かない気持ちになっていた。

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