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140. ただただあなたを ページ47

突然のことにキュッと目をつむって
肩をすくめてしまったら。

いつもより少し甘くて
低い声が聞こえてくる。





「...そんな顔、反則だろ...っ」

「っ」




続けて肩に手が置かれて。
軽く触れた唇と唇。






.....え......






それは一瞬のことだったけど。


確かに重なったセンパイの唇と私の唇。









「....っ、ごめ....っ....」



すぐにそう謝ったセンパイに。

突然の事に。呆然としたまま
ただただ首を左右に
動かす事しかできない私。





今....キスされ....








「...じゃ、な。
風邪引くからすぐ中入れよ」



そう言って。私の頭ぽんぽんとしてから
センパイは駅へ向かって歩き出した。



段々と小さくなっていくセンパイの
後ろ姿を見つめながら。

震える指先で触れる自分の唇。





一瞬だったけど。
センパイとキス...




潤じゃない人とキス。









潤....潤....っ





.....っ....いや....っ









次の瞬間、手の甲で力いっぱい
唇をこすりぬぐう。

涙がぽろぽろと頬をこぼれ落ち出す。



何度拭っても。一瞬だけの感触は
消えてくれそうになくて。

こするたびにさらに涙もあふれていく。






センパイはこんなに優しいのに。

私を想ってくれているのに。





最低だ、私。



一度はその手を取りかけたのに。


キスされてやっとわかるなんて。








今、私の中であふれているのは
潤の顔ばかりなの。




優しく笑う顔。

得意げに笑う顔。

照れたように笑う顔。


時々子供みたいに拗ねる時の顔。
本気で怒った時の顔。

別れを告げた時の、あの哀しい顔。



たくさんの潤が。
次々に思い浮かんで
私の中を一杯に満たしていく。

満たすだけじゃ足りなくて。
どんどんあふれだしていく。









潤....私....



潤でもういっぱいなの。








その場にうずくまり。
何度も何度も唇をぬぐいながら。

とめどなくあふれる涙とともに
ただただそれだけを思っていた。







ただただ潤のことだけを...

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かこ(プロフ) - satosatoさん» はじめまして。いつもありがとうございます♪いよいよ次章最終章になるかしら。どうぞ最後までお付き合いくださいね(^^) (2015年9月17日 19時) (レス) id: 1c4ce8f51d (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - モノクロさん» やっとヒロインちゃんは気づきだしました。でも素直になれる術が今は見つからない感じかな。2人が向かい合えばきっと事態は好転するはず。札幌ファイナル、いつか実現してほしいなという願いをこめて書き進めますー(^^) (2015年9月17日 19時) (レス) id: 1c4ce8f51d (このIDを非表示/違反報告)
satosato(プロフ) - 初めまして。いつも楽しみに読んでいます。これから潤君と主人公ちゃんがどうなっていくのか!続きが早く読みたいです。 (2015年9月17日 12時) (レス) id: 3561c422ab (このIDを非表示/違反報告)
モノクロ - ぬあああああヽ(;▽;)ノヽ(;▽;)ノ ようやく素直になれましたねヽ(;▽;)ノでもこれはこれで少し悲しいけど…やっぱり隣は潤くん以外はダメですね(;_;) 札幌ファイナル…気になるところです(¯ω¯) 下書き頑張ってください! (2015年9月16日 21時) (レス) id: fe40c0e409 (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - まゆみさん» お待たせいたしました!待っていてくださりありがとうございます(//∇//)この勢いで夕飯食べたら下書き書きますっ! (2015年9月16日 18時) (レス) id: ae2a9fb09b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かこ | 作成日時:2014年10月18日 8時

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