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139. 触れた唇 ページ46

あの日の言葉通り。
せかすでもなく。あせることもなく。
辛抱強く私を待ってくれている。


こんなふらふらしている私を。


いつも側で。近くで
見守ってくれている。




だから。



その想いに甘えてるだけじゃ
もういけないよね。







気がつくと。もう私の家の前まで来ていた。



「あ、ありがとうございました」

「残念。駅から意外と
 近いんだよな、桜井んち(苦笑)」

「そうですね」




ふっと予期せず訪れる沈黙に。
また落ち着かない気持ちになる。




「じゃ、じゃあ、 センパイ、
 帰り道気をつけてくださいねっ。
 おやすみなさ...」



言いかけたその時。

それまで笑顔だったセンパイが
ふっとその表情を変えて口を開く。




「俺の誕生日だけど」

「...え?」

「プレゼントは。物じゃなくていい。
 俺は桜井と一緒に過ごしたい。
 それがいいんだけど?」

「え....あ....////」




思ってもいなかった言葉に。

センパイの顔を見つめたまま
何も言えなくなる。





まっすぐなセンパイの気持ち。


....私もちゃんと応えなくちゃ...っ







さっきまで思ってたでしょ?


もうセンパイの気持ちに
甘えてるだけじゃダメなんだって。

前へ進まなくちゃいけないんだって。


センパイの目を見て。
一言言えばいいだけ。


「はい」って。
「宜しくお願いします」って。




そうしたら。


これからも変わらずセンパイは
私の隣にいてくれる。


一番近くに。






....でもそれは....







次の瞬間、ふっと表情を緩めて
センパイが苦笑し出す。



「....センパ...?」

「ごめん、先走った。
 俺が”待つ”って言ったくせに
 悪いな、桜井。」

「そ、そんなことな...」

「今のは忘れて。じゃ、おやすみ」

「あっ」





一番悪いのは。
はっきりできない私なのに。

またセンパイに気を使わせてしまって。

その優しさに甘えて
センパイを傷つけてしまった気がして。

思わずセンパイのコートの裾を
つかんでしまう。



足を止め、また苦笑するセンパイ。





「そんなことされると
こっちも期待しちまうけど?」

「え、あ...っ///」




その瞬間、すっとかがんで
私の頬にセンパイがキスしてきた。



セッ、センパっ...////

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かこ(プロフ) - satosatoさん» はじめまして。いつもありがとうございます♪いよいよ次章最終章になるかしら。どうぞ最後までお付き合いくださいね(^^) (2015年9月17日 19時) (レス) id: 1c4ce8f51d (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - モノクロさん» やっとヒロインちゃんは気づきだしました。でも素直になれる術が今は見つからない感じかな。2人が向かい合えばきっと事態は好転するはず。札幌ファイナル、いつか実現してほしいなという願いをこめて書き進めますー(^^) (2015年9月17日 19時) (レス) id: 1c4ce8f51d (このIDを非表示/違反報告)
satosato(プロフ) - 初めまして。いつも楽しみに読んでいます。これから潤君と主人公ちゃんがどうなっていくのか!続きが早く読みたいです。 (2015年9月17日 12時) (レス) id: 3561c422ab (このIDを非表示/違反報告)
モノクロ - ぬあああああヽ(;▽;)ノヽ(;▽;)ノ ようやく素直になれましたねヽ(;▽;)ノでもこれはこれで少し悲しいけど…やっぱり隣は潤くん以外はダメですね(;_;) 札幌ファイナル…気になるところです(¯ω¯) 下書き頑張ってください! (2015年9月16日 21時) (レス) id: fe40c0e409 (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - まゆみさん» お待たせいたしました!待っていてくださりありがとうございます(//∇//)この勢いで夕飯食べたら下書き書きますっ! (2015年9月16日 18時) (レス) id: ae2a9fb09b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かこ | 作成日時:2014年10月18日 8時

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