マイ・ガール 【Jun Matsumoto】 第3章

135. 自問自答 ページ43

潤と最後に会ってから
３週間が経とうとしていた。



どうしたらいいのか自分でもわからなくて。
あのまま連絡は取れずにいた。


ほぼ毎日潤から来ていたメールや着信は
いつしか減って。こなくなっていた。



絶え間なく流れていく時間の中で
こうして少しずつ互いの事を
考える事が少なくなっていって。

互いの存在が薄れていって。
いつかなくなってしまうものなのかな。



だとしたら。なんてあっけないんだろう。

私達がともに過ごした、宝物みたいな
あの時間も。思い出は。
こんなにも儚いものだったなんて。



本当にこのまま終わってしまうのかな。


潤も連絡がこないのはそういう気持ちなの...？

潤も。悩んでる？

それとも。もう私に愛想つかしてしまった？



...私は。このまま終わってしまってもいいの...？






そんな自問自答の繰り返し。
でも答えは出ないままだった。


センパイとは。今までと変わることなく。

２人でご飯食べに行く事もあったり。
４人でわいわい飲んだりしていた。


でも私たちの間に流れる微妙な空気に
うすうす坂本さんも理恵ちゃんも
気づいているようだった。


先週だっけ？

最近潤の話をしなくなった私に。
理恵ちゃんがふと
「最近どうなの？」って聞いてきた。



「もうだめかもしれないの」

そう答えたっきり、
それ以上何も言えなかった私に

「...そっか」と。理恵ちゃんも
それ以上何も聞いてこなかった。



でも一言だけ。加えてきた。


「紺野さん、いい人だよ...？」って





「...うん」


それはわかる。

こんなはっきりしない私を。
何も言わずに
待っててくれているセンパイ。

私にはもったいないくらいだってわかってる。


坂本さんも理恵ちゃんも。
こうして心配してくれている。



だから。

いつまでもこうしてちゃいけないよね。
そろそろ前を向かなくちゃだめだよね...




その思いは。少しずつ胸の中を
占めるようになってきていた。








今日はセンパイに食事に誘われた。

待ち合わせはいつもの
地下鉄駅直結の本屋。

本屋に着いた瞬間、
『ごめん、５分遅れる』と
センパイからメールが入ったから
なんとはなしに雑誌売り場を見て回る。



あ...そういえば今月号の
英会話のテキスト買い忘れてた。

すっかり頭から抜けてた。


まずはテキスト売場へまわろうとしたその時。
目に飛び込んできた懐かしい笑顔。



...あ...っ

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