マイ・ガール 【Jun Matsumoto】 第3章

97. 違う瞳 ページ5

「付き合って２年だっけ？結婚は？
　そろそろそういう話出てるの？」

「そっ、そういうことはっ....
　まだ全然、ないですけど....
　ど、どうしたんですか？！
　今日のセンパイ変ですよ？！」



本当に変。

こないだのこと
が相当堪えていたりする...？





その時。

ふっと真剣な表情に
変わってセンパイは
まっすぐに私を見つめながら
口を開いた。





「こないだは。本当にごめん。

　理恵ちゃんと坂本さんの
　決定的なとこみてしまって。
　もうどうあがいたって
　この２人の間には
　入る隙はないってわかって。

　自分でも想像以上に
　動揺して。どうかしてた。

　....桜井に甘えちまって
　かっこ悪かったなって
　後ですごく後悔した(苦笑)

　でも。あの時桜井がいてくれて。
　本当にありがたかった。

　桜井のおかげだよ。
　お前のおかげであれ以上
　落ち込むことはなかった。

　本当に。ありがとう。」

「...そ...そんなこと...ないです...//」




面と向かってこんな風に伝えられて。
瞬間、ドキンとしてしまう。




やだっ....で、でも。

私に向けられているセンパイの瞳は。
いつもと違う光をたたえているようで。
なんだか胸がざわついていく。




「....っ、あ、あの、
　じゃあ、センパイ、
　理恵ちゃんのことはもう
　あきらめてしまうんですか？」



そんなざわつきを打ち消すように
思わず口をついて出た問いに。




「....”あきらめる”っつーか。ん。
　今は不思議と彼女に対して
　以前のような感情を
　抱いてはいないんだ。
　....むしろ....」

「...えっ...」




そう答えて。途中まで言いかけて
また私を見つめてくるセンパイ。


やっぱりいつもの瞳じゃなくて。

優しくて。どこか甘くて。
また胸の奥が落ちつかなくなってしまう。




ど、どういう意味.....？

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