マイ・ガール 【Jun Matsumoto】 第3章

120. わからない気持ち ページ28

どうしよう...誰に連絡すればいい？

...とりあえず優奈に電話してみよう。

ごめん、優奈。デート中だよね...？





数回のコール音の後、優奈が電話に出た。






「A？」

「ごめん、優奈。トシくんと一緒だよね？」

「ん、大丈夫。今、札幌？」

「え、ううん、東京だよ。どうして？」

「や、今日さっきまで嵐との仕事あったんだけど。
　その後私の先輩達と潤くん、飲みに行っちゃったから
　てっきりA来られなくなったのかなぁって」

「え...優奈、それどこ？！」

「行きつけのところ、って言ってたから
　六本木かな。ほら、前、Aも行ったことある」

「あ...わかる」





優奈の言葉を拾いながらも
頭の中がぐるぐるし出す。



潤...どうして...私....





そこまで話して言葉に詰まった私に。
優奈が心配そうに問いかけてくる。



「ね、A。あんたたち一体どうなってるのよ？

　こないだから潤くん、なんか様子変だし。

　今日だってこんな行き違いしてるし。
　それに。あの記事も....

　２人とも大丈夫なの？！」





優奈...ごめん。

心配かけてしまってるよね。



本当は私も全部優奈に話したい。
聞いてもらいたい。





でも。ごめんね。

今はまず潤くんに会うことが
先決だと思うから。








「...ごめんね、優奈。
　本当にありがとうっ」

「え、あっ、Aっ？！」






急いで電話を切って。出かける支度をして
５分後には潤のマンションを飛び出る。




潤、メールまだ見てない？

見たから飲みに行ったの？
私に会いたくなくて？



ううん、そもそも東京に
来ないって思われてる？







あぁ、潤の気持ちがわからない...








タクシーに飛び乗った後もずっと
胸の中は。頭の中は混乱したままだった。

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