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106. 聞きなれない声 ページ14

あの記事以来
ちっとも上がらない気持ち。


潤からは。何度も電話があったけど。
出られなかった。

自分からもかけられなかった。




出たら。なんて言えばいい?


あの噂は本当なの?

あの人と昔付き合っていたの?

どうしてキスしてたの?




声を聞いてしまったら。

ひどい言葉でせめてしまいそうな
自分が怖くて。


そうしたら何もできなかった。





信じてる。信じたい、潤のこと。


潤はそういう人じゃない。

でも100%そう思えないのは
2人の間の距離のせいなの...?


...それとも。

私だってセンパイのこと
潤にちゃんと言えてないせい...?




あの日から。家にいても会社にいても。

つい潤のことばかり
考えてしまってる自分がいた。









「顔色悪いですよ、Aさん?」




不意にかけられた理恵ちゃんの声に
はっと我に返る。



いけない、また...
まだ会社だった....



「え、そ、そう?、
 最近よく眠れてないからかなっ」

「急に寒くなりましたからねー。
 今夜あたり降るみたいですよ、雪。
 一緒にごはん食べて
 今日は早く帰りましょうよ♪」

「...そうだね」



こんなんじゃ
仕事に身がはいらないし。

今日は気分転換も兼ねて
理恵ちゃんと帰ろう。




19時に会社を出て。
理恵ちゃんおすすめの
チーズフォンデュのお店へ。

おいしいワインと食事で。
ほっこり身があたたまる。



久しぶりにちゃんとものを
口にした気がする。



でも。理恵ちゃんと別れて
一人になったとたん、また
ひたひたと押し寄せてくる
迷いや不安という負の感情。


地下鉄の駅を出て
ふいに見上げた空。

今にも雪が降ってきそうな色...



思わずため息が漏れ出る。








ね、潤。


いつから私は
こんなにいくじなしで
弱くなってしまったんだろう。

東京にいた時は。
どんなに会えなくても
そんなこと感じたこと
なかったのに。

今は。少しずつ潤が
遠くなっていくように感じるの。




私は。どうしたらいいんだろう....









気がつくと。
家へ続く最後の角に
差し掛かっていた。


灯りのついていない自分の部屋が
ここからも見えて。


また重苦しい気持ちになった
その時だった。







「ちょっとすみません」





え...





かけられた聞きなれない声。



驚いて振り返ると。
そこには知らない男性が一人。




誰...?不審者....?

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かこ(プロフ) - satosatoさん» はじめまして。いつもありがとうございます♪いよいよ次章最終章になるかしら。どうぞ最後までお付き合いくださいね(^^) (2015年9月17日 19時) (レス) id: 1c4ce8f51d (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - モノクロさん» やっとヒロインちゃんは気づきだしました。でも素直になれる術が今は見つからない感じかな。2人が向かい合えばきっと事態は好転するはず。札幌ファイナル、いつか実現してほしいなという願いをこめて書き進めますー(^^) (2015年9月17日 19時) (レス) id: 1c4ce8f51d (このIDを非表示/違反報告)
satosato(プロフ) - 初めまして。いつも楽しみに読んでいます。これから潤君と主人公ちゃんがどうなっていくのか!続きが早く読みたいです。 (2015年9月17日 12時) (レス) id: 3561c422ab (このIDを非表示/違反報告)
モノクロ - ぬあああああヽ(;▽;)ノヽ(;▽;)ノ ようやく素直になれましたねヽ(;▽;)ノでもこれはこれで少し悲しいけど…やっぱり隣は潤くん以外はダメですね(;_;) 札幌ファイナル…気になるところです(¯ω¯) 下書き頑張ってください! (2015年9月16日 21時) (レス) id: fe40c0e409 (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - まゆみさん» お待たせいたしました!待っていてくださりありがとうございます(//∇//)この勢いで夕飯食べたら下書き書きますっ! (2015年9月16日 18時) (レス) id: ae2a9fb09b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かこ | 作成日時:2014年10月18日 8時

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