96. 単刀直入 ページ1
「....ひ、久しぶりだね、
鍋の日以来？これから出勤？？」
「ん.....」
お湯を沸かして。
お茶の準備をしながら。
おかしなくらい一人話し続ける私。
家に入ってからも
ましゃはずっと黙ったままで。
食卓に座って私の質問に
相槌を打ち続けるだけで。
出勤前に急に思い出して
寄ってみた、とだけ
ましゃは口にしたけれど。
違うよね？ 私にはわかる。
私に話があってここに来た。
そしてその話は。
たぶん、潤くんのことだ。
そう思いいきついた瞬間。
ドクンッと心臓が音を立てて
全身の血液が逆流するかのように脈打って。
思わず身震いしてしまう。
でもましゃの意図には
気づかないふりをして。
懸命に笑顔作って。
お茶の支度をし続ける。
ましゃが切り出すまでは。
気付かないふりをしよう。
そう思っていても。沈黙になって
話を切り出されるのが怖くて。
動かし続けてしまう口。
...でも。いつまでもそうして
逃げてばかりはいられないんだよね...
心を決めて。一つ静かに深呼吸してから。
お茶を運んでましゃの向かいに座った。
合う目と目。
私の考えてることなんて
お見通しのような
ましゃの薄茶色の瞳。
無言のまま。”話していい？”って
確認するかのように
私を見つめてから。
ついにましゃは口を開き始めた。
「...単刀直入に言うよ。
センセ、潤とはどうなってるの？」
覚悟してたはずなのに。
その瞬間大きな音を立てて
どんどん速度を増していく心臓。
息もキュウッと苦しくなる。
でも必死に動揺を抑えながら
震える声で聞き返す。
「ど....どうって....？」
「その分じゃまだ
決定的じゃなさそうだね」
ましゃの声よりも。
大きく響いてくる自分の鼓動に。
もう何も言えず。ただ次のましゃの言葉を
待つことしかできない私。
「....俺は。センセも知ってる通り
不仲なくせに体面ばっか
大事にして離婚しないでいる
あんな両親の間で育ってきたから。
２年前、センセの家に初めて遊びに来た時、
心から思ったんだ。
センセの築いている家庭は。
俺が小さいころから憧れて
思い描いてた理想の家庭だって。
だから。恭介や美空が悲しむ姿、
俺は見たくない。」
まっすぐで真剣な瞳。
こんなましゃ、
もしかしたら出会って初めて
見たかもしれない....
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かこ(プロフ) - あかりんさん» ですよねー(涙)やっと気持ちを確かめあえたのに手放しで喜べないという....ここからが二人の本当の始まりです。どうぞ最後までよろしくお願いしますっ。 (2014年9月3日 17時) (
レス) id: ae2a9fb09b (このIDを非表示/違反報告)
あかりん(プロフ) - モヤモヤしてます、、笑 (2014年9月3日 16時) (レス) id: 1b7b6e5038 (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - さくらさん» ましゃは。私、とても好きなキャラです。実は...実在モデルもいます。踏み出すべきか否か、今が２人にとって最初の大きな壁にぶちあたってるんだと思います。２人にとっての幸せの形、これが今回の大きなテーマでもあります。どうぞ見守ってあげてくださいっ（＞＜） (2014年9月2日 14時) (レス) id: 1c4ce8f51d (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 主人公先生も潤くんも切ないです…と お友達のマシャの勇気ある言動！それに潤くんが従ってしまうのか…切なく息を止めてしまいました…二人には幸せになってもらいたい…ワガママでも突っ走って欲しい… (2014年9月2日 11時) (レス) id: 84be6edf25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かこ
| 作成日時：2014年9月1日 14時
