22. 衝動 ページ22
潤くんの腕の中に入ってしまった私。
細いけど、やっぱり男、なんだ...
甘いけどさわやかな香り。やわらかい髪。
私の首すじに潤くんの頬が触れてる。
静かな放課後の校舎
聞こえてくるのは
潤くんと私の心臓の鼓動だけ。
どうしよう。
体から力が抜けていきそう。
でもつらくて、ガチガチだった気持ちも
潤くんのぬくもりで
ほぐれていっている気がする。
１０秒なんてとっくに過ぎてる。
でも、離してくれようとはしない潤くん。
離れようとしない私。
ずっとこのまま
こうしていたい...なんて...
...ん？...
お、重い...？！
「え？ちょ、潤くん？！」
そっと顔を動かすと、
すやすや寝息を立てている潤くん。
だ、抱きしめたまま寝るなよー///
ソファにそっと潤くんを横たえる。
...ったくっ★こんなにも
ドキドキさせておいて
眠っちゃうなんて、なんて奴〜(笑)
自分の動揺ぶりと
目の前のあどけない寝顔とのギャップに
つい笑みがこぼれる。
１７歳の子にふりまわされっぱなしだなあ．
でも憎めないんだよね。
むしろ...
愛おしく感じることもあるのは
否定できない...
改めて潤くんの寝顔に目を向ける。
ホント無防備な姿。
ファンの子達がこんなとこみたら
襲われちゃうぞ(笑)
こんなにもすぐ寝入っちゃうなんて
本当に仕事忙しいんだろうな。
さわやかな夏風が窓から入る。
その風に突き動かされるように
潤くんに近づき、そばに腰かけた。
本当にきれいな顔。
力強い眉毛に長ーいまつげ。
ちょっぴり大きくて厚みのある唇。
口元にほくろあるんだ。
そっと触れてみる。
ただ眠ってるだけなのに、
それだけで一枚の絵のよう。
しなやかに伸びている足。
繊細そうですっと長い指、
でもしっかりしていて、男の人の手だ。
....こんなきれいな男の子いるんだなあ....
そういえば最初に
桜の木の下で見たときも、
あまりに潤くんが美しくって
泣けてしまったんだよね...
もうちょっとだけ触れてみたい
衝動が押し寄せる。
そうっと手を伸ばしたその時だった。
「わっ！！」
パッチリ目を開け、
私の手首をつかんだ潤くん。
「た★たぬき寝入りーー？！」
「違う、違うっ！ほんとに寝てた！
今、目覚めたの！
朝までドラマの撮影だったのっ！」
「あ、７月に始まるやつ？
高校生探偵の役だよね？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 209人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かこ(プロフ) - 夏さん» ありがとうございます。変換ミスですね。直しました(^_^;) (2014年7月18日 23時) (
レス) id: ae2a9fb09b (このIDを非表示/違反報告)
夏 - 2の、 便りになる存在→頼りに じゃないですか？ (2014年7月18日 22時) (レス) id: 99a29e3e26 (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - えこさん» きゃんっ♪早速のコメありがとうですー。どっぷりヒロイン気分満喫してくださいね（^^)お仕事お疲れ様ですっ。 (2014年7月8日 15時) (レス) id: 1c4ce8f51d (このIDを非表示/違反報告)
えこ(プロフ) - かこさん、楽しみにしてますよ〜。今丁度休憩中でした。ポプコンもキュンキュンですよね！すっかり主人公気分な私です、ハイ。o(^▽^)o (2014年7月8日 15時) (レス) id: 61d13ac018 (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - えこさん» そうなんですよ、一番衝撃的だった体験かも。今ならどんと構えられるけど当時はうら若き乙女（笑）正直怖かったです。日々更新がんばりますね。ポプコンも下書きかなりたまってるのですがなかなか打ち込めなくて★今週中には必ず！ (2014年7月8日 15時) (レス) id: 1c4ce8f51d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かこ
| 作成日時：2014年7月5日 19時
