21. 10秒だけ ページ21
「まだ痛む？」
「だいぶ大丈夫」
「薬ぬっておいたけど
念のため病院行こうか？」
「んー...これから仕事なんだ。
痛みだいぶひいたし、
今日はとりあえずこのまま様子見るよ。」
「本当にごめんなさい！
生徒にケガさせてしまうなんて、
私、教師失格だ...」
「気にしないでセンセ。
俺が勝手に動いたことだし。
ほら、やけども軽かったしさ。」
こんなときにも優しすぎる潤くん。
包帯巻きながら
申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
いつもの準備室も今日は空気が重い...
「...なんかあったの？」
「...どうして？」
「なんだかさ...いつもより、
ぶっさいくな顔してっから。」
「な★おこるよー！！」
「わっ、ちょい待った！
たたかないでっ、ウソウソ！
目が赤いから...さ、気になってみてたら、
隣のテーブルのドライアイスが
倒れてくる瞬間が目に入ったんだ。」
この子にはお見通しなんだなあ...
大っきな、まっすぐな瞳、
私の心の中まで見えちゃうんだね。
昨夜は全く眠れなかった。
佑樹のこと、2人のこと、
考えていたらどんどんわからなくなって。
苦しくて、泣けてきて、気がつくと朝だった。
どんなにつらくても朝はやってくる。
顔洗って、お化粧して、出勤して、
そうして教壇に上がる頃には
［センセイの私］を演じる。
学校に居ると余計なこと
考えなくていいから助かる。
でもふと気が緩んだとき、思い出して、
停滞してる自分にハッとする。
今日は演じきれてなかった。
そんな自分の未熟さが
こんな事故を引き起こしてしまったんだ。
潤くんを巻き込んでしまったんだ。
本当にごめんなさい...
「何もないよー。昨日ＤＶＤみて
夜更かししちゃったせいかな？
...なのにごめんね。ケガさせてしまって。
潤くんの大切な仕事に支障でちゃうよね...？」
”本当に何もないの？”って
追求されているような、
心配してくれてるような視線に気まずくて、
救急箱片付けるふりして
潤くんに背を向け、机へ向かった。
私って嘘下手だよな...
後ろから潤くんの声。
「...責任感じる？」
「そりゃ、もちろんだよ。」
「...じゃ、さ、責任とってもらおうかな。」
声が近づいてくる？
「え？！」
振り返ろうとするより一瞬早く、
潤くんが後ろから私を抱きしめた。
「じゅ///」
「１０秒だけ、このままで」
「...うん。」
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かこ(プロフ) - 夏さん» ありがとうございます。変換ミスですね。直しました(^_^;) (2014年7月18日 23時) (
レス) id: ae2a9fb09b (このIDを非表示/違反報告)
夏 - 2の、 便りになる存在→頼りに じゃないですか？ (2014年7月18日 22時) (レス) id: 99a29e3e26 (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - えこさん» きゃんっ♪早速のコメありがとうですー。どっぷりヒロイン気分満喫してくださいね（^^)お仕事お疲れ様ですっ。 (2014年7月8日 15時) (レス) id: 1c4ce8f51d (このIDを非表示/違反報告)
えこ(プロフ) - かこさん、楽しみにしてますよ〜。今丁度休憩中でした。ポプコンもキュンキュンですよね！すっかり主人公気分な私です、ハイ。o(^▽^)o (2014年7月8日 15時) (レス) id: 61d13ac018 (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - えこさん» そうなんですよ、一番衝撃的だった体験かも。今ならどんと構えられるけど当時はうら若き乙女（笑）正直怖かったです。日々更新がんばりますね。ポプコンも下書きかなりたまってるのですがなかなか打ち込めなくて★今週中には必ず！ (2014年7月8日 15時) (レス) id: 1c4ce8f51d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かこ
| 作成日時：2014年7月5日 19時
