11. タイムカプセル ＜N side＞ ページ11
その間にも。
塔から作文を入れた
ケースが取り出され、
クラスごとに幹事が
一人一人配布し始めた。
Aはさっきから３年ん時の
クラスの女たちとおしゃべりしてる。
「二宮くん」
いけね。俺の番。
あわてて前へ出る。
呼ばれた名前に。
一瞬その場がざわついて。
皆がこっち見たけど。
特段それ以上何が
起きるってこともなく。
俺は作文の入った
茶封筒を受け取って、
またもとの場所へと戻った。
こん中に。
”１０年前の俺”がいる。
あの頃の俺。
これを書いた半年とちょっと先に。
まさか”嵐”になってるなんて
夢にも思ってなかったよ。
早くに自分の夢見据えて。
”いつかフランスに行きたい”
なんて言ってたA見て。
んじゃ俺はアメリカ行って
舞台演出の勉強でも
してぇなぁなんて。
漠然と思ってたんだっけ。
軽く糊付けされた封を指で開き。
中から少し黄ばんだ
作文用紙を取り出す。
そこには、まぎれもなく。
”１５歳のオレ”がいた。
...相変わらず
へったくそな字★
われながら進歩ゼロ。
味もそっけもなく。
箇条書きで次々と
並べられている短文。
* １９９９年、
本当に世界は終わんのか？！
...終わんねぇーよ...(苦笑)
* 桃電クリアしてーーっ！！
* 幽霊はさ。いるね、
絶対。当たり前じゃん。
だって今生きてる人間より
死んだ人間のほうが多いんだからさ。
それを生きてる人間しか
いる訳ないなんて思うのは
失礼極まりないよ。
伊東にガツンと言ってやりてぇな。
...オレ、バカか...？！(苦笑)
....ガキッ....
そうだよ。あの頃さ。
なんか理科の伊東センセに
目つけられてて。にらまれてて。
だからあいつの言うことやること
いちいちカチンときてたんだよな。
今日は...
来てねぇみたいだな、あいつ。
あん時はマジで腹立ててたのに。
今となるとそういうセンセほど
会ってみたい気がすんのは
なんだか不思議な感じがすんな。
* １０年後のオレ、
元気でやってるか？
元気だよ。めちゃくちゃ。
相変わらずゲーム好きだし。
猫背でジャニーズだよ。
今は知らねぇーだろうけど。
マジックなんてはまるんだよ、
この後お前はっ(笑)
読んでくうちに。
そういやこんなこと書いたっけって
徐々に記憶がよみがえってくる。
でも最後の一文は。
自分でも全く覚えてなかった
フレーズだった。
12. 一瞬の瞳 ＜N side＞→←10. １０年ぶり ＜N side＞
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 396人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かこ(プロフ) - モノクロさん» お帰りなさーい！テスト無事終わったかな？はい、二宮さんで♪これってサインや３６５ひより前に書いた、二宮さん最初の作品。まだ手探りで二宮さんをつかもうとしてたのがよくわかる文で（笑）。最後までどうぞよろしく（＾＾） (2014年6月7日 19時) (
レス) id: 1c4ce8f51d (このIDを非表示/違反報告)
モノクロ - 長いので名前省略することにしました笑 っていうかいつの間に!!!二宮さんの新作!!!いやぁー(≧ω≦*)今日からツクール復帰します♪＼(^-^)／ 更新頑張ってください!! (2014年6月7日 18時) (レス) id: 9a4b8c823e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かこ
| 作成日時：2014年6月6日 12時
