29. ２人のはじまり ＜H side＞ ページ29
「あ、ち、違うの！！
ゴメンなさい★あのっ)...
く、くちびる...」
「...え？」
「わ、私、唇、今、
すごく荒れててっ。
その、相葉くんが
痛いんじゃないかって思ったら
その、思わず....
あ、イヤ、とか、
そうじゃなくて！
全然そうじゃなくてっ！！
わ、私も相葉くんと
同じ気持ちで、その....////」
うわ////
何か言えば言うほど
墓穴掘ってるよ(＞＜)
これじゃ ”キスしてほしい”って
言ってるみたいだよ///
で、でも相葉くんが、
キスが嫌だったわけじゃないって
ちゃんとわかってほしかったから...
あわてふためいて説明する私を
しばらくじーっと見つめた後、
とびっきり優しくて、
安心したような笑顔になった相葉くん。
それからまたギュッと
抱きしめ直してくれた。
トクントクンって、
また響く心地良い音....
「.....よかった(＞＜)
嫌われたかなって
ちょっとあせった(苦笑)」
「そっ！！そんなことないっ！！
....です.....
好き....です....////」
最後は思い切り
小さな声になっちゃったけど
ちゃんと伝わったかな...？
私の頭に自分の手、
ポンポンとしてから
相葉くんは上着のポケットから
リップクリームを取り出した。
「オレもね、荒れやすいから
いっつもこうやって
ポケットにいれてんだ。
.....ぬったげる♪」
「え？！あ...うん...」
リップのキャップを外し、
まず自分に一塗り。
それから「口閉じて」って
私に言った相葉くん。
相葉くんの言葉につられて
思わず目まで閉じてしまった私。
ゆっくりと私の唇を
リップクリームでなぞる相葉くん。
優しくて、丁寧な動き。
なんだか相葉くんの指で
なぞられてるみたいな感覚...
ドキドキも加速していく....
ふと相葉くんの動きが止まった。
目を開けようとしたら
聞こえてきた声。
「...ごめんっ！かわいすぎ...っ///」
次の瞬間もう、
重ねられていた唇。
やわらかくて、あったかくって、
甘い甘いキス。
閉じたまぶたに月の明かりを感じながら
私たちは何度も何度もキスをした。
時折、合う目と目。
恥ずかしそうにお互い微笑んでから、
また唇を重ねていく。
いつのまにかこんなに好きになってた。
大切な存在になってたんだ....
〜〜 それが１１月の夜の出来事。
二人の始まり 〜〜
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作者名：かこ
| 作成日時：2014年1月18日 18時
