15. 不思議な人 ＜H side＞ ページ15
”クシュンっ！”
コーヒー飲み終わって
ひとつくしゃみした相葉さん。
気がつくともう３０分以上
こうしておしゃべりしていた。
風邪ひかしちゃうよね(＞＜)
「あ。月曜は休館日ですけど、
土日もやってるんで、
お仕事お休みの日に
またぜひ観に来てください！
ベテラン技師さんの夜空、
やっぱり私とは違って
素敵ですから(^^)」
「あ。うん。オレ、土日休みの
仕事じゃないから
また平日来るかもしれないけど。
....そのときはまたこうして
原島さんと話できるかな？」
「え？」
突然のせりふに一瞬ドキッ★
「あっ、ほ、星の話
もっと聞きたいし。
教えてもらいたいから(^^)」
「....ハイっ♪」
続いた彼の、屈託ない笑顔と言葉に、
なんだか素直に答えていた私。
「じゃ、約束！」
「....え？」
不意にとられた手。
目の前には小指差し出した
無邪気な笑顔の相葉さん。
そのまま私たちは指切りを交わした。
交わした後も呆然としてしまった私。
「あ★いけねっ、こんな時間☆
じゃ、またっ！！」
「え、あ、ハイっ」
ひらりとガードレール飛び越えて、
手あげて車の方へと去っていった彼。
風みたい.....(笑)
忙しい人なんだ。
なのに今日はその合間をぬって
星、観に来てくれたんだな。
もしかしてこないだの投影で
星、好きになってくれたのかな？
(だったらいいな)
見せられなくて
申し訳ないことしちゃったな...
でも。
不思議な人.....
まだ会って２回目なのに。
全然そんな感じじゃなくて。
警戒することも忘れてた。
まるで昔からの友人みたいに
人懐っこくて。
いつのまにかまた、
落ち込んでた気持ちが
どこかへ消えてしまっていた私。
代わりに、あったかい、
ホクホクとしたものが
胸いっぱいに広がってて。
また相葉さんのおかげ....だね。
それからの毎日、心のどこかで、
また相葉さんがここに現れることを
楽しみにしてる自分がいた。
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作者名：かこ
| 作成日時：2014年1月18日 18時
