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12. 涙 ページ12
時計をみる。
１７時１５分。
ギリセーフ？！
駐車場にはまだ
数台の車が停まってる。
急いで車、ロックして、
駆け足で科学館の
エントランスへ向かう
...途中でオレが見たもの。
それは、駐車場脇の
ガードレールに腰掛けて、
もうすっかり暮れかけている
空あおいで
一生懸命涙をこらえている、
あの夜の彼女だった....
目なんてもう真っ赤で。
でも涙こぼさないよう、
必死に鼻すすって。
空見上げて。唇キュッと結んで。
あの夜、最後に見せてくれた
笑顔とは１８０度真逆な姿。
その姿はなんだか痛々しくて。
....動けなかった。
声をかけていいのか、
そのまま見守るべきなのか。
わかんなくてしばらくその場に
立ち尽くしてしまったオレ。
そしたら後ろから不意に
鳴らされたクラクション。
ヤベッ★
道、通せんぼしてたっ？！
その音にハッとして
こちらを見た彼女。
オレと目が合って。
また「あ！」って顔して。
あわてて涙、ひじでぬぐって
ガードレールから下りた。
そうして必死に作り笑顔して
ペコッと頭を下げた彼女。
「....こんばんは」
オレもつられて
「あ。こんばんは」って
ペコリ。しちゃった★
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作者名：かこ
| 作成日時：2014年1月18日 18時
