5. 春の東京 ページ5
＜＜＜ ２０１０．４月 TOKYO ＞＞＞
「う...っわぁ...」
大きな大きな公園前の。
歩道橋の上からの絶景を前に。
思わず口をついて
出てきてしまった言葉。
目の前の。なんとも
スタイリッシュな形の体育館？
まで広がる長ーーい階段。
隣にはこれまた個性的な形の
塔がそびえ立っている。
建物の向こうには
競技場やテニスコート、
球技場をぐるりと囲むように
豊かな緑が広がっている。
閑静な高級住宅街、だよね。
この地域って.....
だって散歩してる
犬も雑種じゃなくて。
見るからに高そうな
外国のワンちゃんばかり...★
完璧に。場違い状態のワタシ...
考えてみれば。
東京に来たのは修学旅行と
遠距離恋愛してた航平に
会いに来た時だけで。
こんな場所まで
足を運んだことはなかったよな。
手すりにもたれかかり。
眼下を過ぎる車を
何台も見送りながら。
ふーっと一つ深くため息。
今日から。ここに住むなんて。
今でも全くリアリティないや...
本当なら。今頃航平と２人。
新居で結婚式やハネムーンの相談に
心ときめかせていたはずなのに。
”青天の霹靂”とは
まさにこのことだ。
短大卒業後、大学職員となった
私・片柳Aと。
当時大学院生だった田代航平とは。
働いていた大学で出会った。
交際して７年。
そのうちこの２年間は
札幌ー東京間の遠距離だった。
ついに結婚が決まり、
職場に報告したところ。
上司の計らいで４月から
東京の系列大学へと
異動させてもらえることになって。
あの日は。彼を驚かそうと。
ずっと内緒にしてたこのニュース。
デートが始まる前から
いつ言おう、いつ伝えようと
ドキドキしていたのに。
ロマンチックに２人で。
一通りイルミネーション見終えた後。
突然切り出された予期せぬ別れ話。
今でも夢じゃないかって思う。
でも今思えば。
イルミネーションに
見とれていたのは
私だけだったのかもしれない。
きっと航平は会う前から
ずっとずっと考えていたに
違いなかった。
頭の中真っ白になって。
気がついたら彼に
罵声浴びせながら。
その辺の雪つかんでは
航平に投げつけ続けてた。
我ながら。人生で
３本の指に入る大失態...
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かこ(プロフ) - ゆいさん» ありがとうございます♪北海道色満載な作品、私も大好きなストーリーです。どうぞよろしくです♪ (2014年8月1日 21時) (
レス) id: ae2a9fb09b (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - かこさんの作品読みやすくて好きです！popcornに続き 私の大好きなお話です。こちらも続きがすっごく楽しみです♪ (2014年5月6日 6時) (レス) id: f7fb08dbe2 (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - あ~ちゃんさん» ありがとうございます♪すでに完結作品なので毎日更新を目指していますが。待ちきれないときには他作品もよろしかったらぜひ♪ (2014年5月1日 12時) (レス) id: 1c4ce8f51d (このIDを非表示/違反報告)
あ~ちゃん - 今日 この作品に出逢いました。続きが楽しみです。読みやすくてテンポが良くて・・・読み返すのが好きなので待ってます。有難う。 (2014年5月1日 11時) (レス) id: b6f277a24a (このIDを非表示/違反報告)
あ~ちゃん - 今日 この作品を見つけました。更新が楽しみです。読みやすくてテンポがいいですね。 (2014年5月1日 11時) (レス) id: b6f277a24a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かこ
| 作成日時：2014年4月29日 9時
