箒星 【Sho Sakurai】 第１章

35. にらみあい ＜S side＞ ページ35

「.....そっ、そっちこそ
文句ばっか言うんなら。
こんな事彼氏に頼めよっ(怒)」

「そんなのいませんーーっ」

「だろうなーっ。
そんな本性知ったら。
男は誰だって逃げてくよな」

「なっ★さ、櫻井さんこそっ！
テレビではあんな天使みたいな
笑顔ふりまいてるくせに
　 女の子にこんな毒吐くなんて
嘘つきっ！二重人格っ！」

「それはこっちのセリフだろっ？！
ネコっかぶりの嘘つき女のくせにっ。
ホントかわいくねぇーのっ！」

「櫻井さんにかわいいなんて
　 思ってもらわなくて結構だもんっ！」

「俺だって君にどう思われようと
全然平気だしーっ(怒)」

「さ、最低ーーっ！！
こんな失礼な男初めてっ！」

「俺だってそーだよっ!
ありえねぇしっ
こんなん言われんのっ！」




にらみ合ったまま。
息継ぐヒマなく
展開していく言い合い。




最後のセリフを言い放った瞬間。
興奮して。思わず叩いてしまった床。

と同時に”グシャリ”と
聞こえてきた鈍い破壊音。









「あ.....」




守ったと思った電球が。
俺の手の下で粉々に
砕け崩れていた。





「さ、櫻井さんっ！
手っ！ 大丈夫っ？！」

「あ...う、うん。
それは平気....」



幸いどこも切れてなく。
無事な左手。

確認して。
思わず見た彼女の顔。




さっきまでの言い合いなんて
どこ吹く風で。
真剣に俺の手心配してる姿見たら。

なんだろ。急に自分たちが
滑稽に思えてきて。




「....な、何...っ？！」

「クックックッ(苦笑)」





次の瞬間。ふきだしてしまってた。

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