☆ ページ26
一度潤に紹介されて。
メンバー皆で飲んだ時
以来の再会。
実は潤に出逢うまで。
嵐の中ではほんの少しだけ
翔くんのファンだった私。
あの時は私も緊張してて
そんなに会話もなかったけど。
今夜はアルコールの力も手伝って
弾む会話。
互いの共通項は潤で。
それを軸に広がっていく話題。
同じグル―プにいるから？
どこか似てる空気感。
でも。当たり前だけど
翔くんは潤と違ってて。
潤とはタイプの違う
紳士っぷりと会話の間合い。
笑顔。香水。
潤より低音で響く声。
比べているわけ
じゃないけれど。
如実にそんな差異を
感じてしまって。
ほんの少し走る胸の高鳴り。
予期せずして揺れる胸の奥。
男友だちって。
いたらこんな感じなのかな？
翔くんには申し訳ないけど。
潤に会えない寂しさが
まぎれていく気がしていた。
すっかり意気投合した私達は
翌日は晩御飯を共にして。
また同じ店で一緒に飲んでた。
翔くんとの時間。
純粋に楽しかった。
別に”心変わり”な
わけじゃない。
それは誓って言えるよ。
ただ。翔くんの
優しさがしみるだけ。
ずるいけど。
手放したくなかっただけ。
理解はしていても。
心のどこかで
おいてけぼりみたいな気持ちを
やっぱり抱いていたのかな。
...潤のばか。
こんな時こそ
側にいてよ。
こんなことで
グラグラしている私を
しっかりつかまえていてよ。
結局、寂しさが
まぎれていたのはつかの間で。
翔くんと過ごす時間が
経つにつれて
潤のことばかり
思い出されてしまって。
恋しくなってた。
潤に会いたくて。
余計に寂しくなっていた。
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作者名：かこ
| 作成日時：2017年3月15日 15時
