マシュマロ、食べませんか？【歌い手】

君がいうなら @あまつき ページ10

天月 side



翔ちゃん明日暇？ってLINEがきたのは、昨日ではなく今日。日付が超えてから。







…なあ、他の誰かが、お前を好きになるたびに、僕がどんな気持ちでいたか分かってる？

いやあ、うん。分かってないって知ってるけど。
そう言ってしまうのは癪に触る。







「 ばーか…」







人がせっかく遊びに来てやったのに、小さく寝息を立てて気持ちよさそうに眠ってる想い人の頰を指で突く。



白くて、柔らかくて、マシュマロばかり食べているから本当にいつかマシュマロになってしまいそうだ。








「 いっそ、なってくれたら」





君を誰かに取られる前に、僕が全部食べられるのに。







…なんて、サイコパスまがいなことを考える。









貴方「 ん……しょおた？」



「 あ、起きた？」









貴方「 …うそ、おれ、ねてた？」


「 そりゃあもうぐっすり。もしかして寝ぼけてる？一人称、おれになってるよ 」



貴方「 あぁ…翔太だから、気が抜けてるのかもなぁ」







もう、そんな笑顔で言わないでよ。
笑いかけられただけでぶっ壊れてしまいそうに高鳴る心臓を隠すのにこっちは必至だっていうのに。



そんなことなんてつゆ知らず、えへへといつもより柔らかに笑う、あほ。








貴方「 んー！よく寝た！体が軽い！」


「 どうせ作業ばっかで徹夜繰り返してたんでしょ。ほんとに体に良くないから。寝ろって言ってんのに」


貴方「 ふふ、翔ちゃんってば僕のお母さん？」


「 誰もお前を産んだ覚えはないよ 」


貴方「 もー！マジレスいらない！」








可愛い。独り占めしたい。触りたい。

俺だけを、見てほしい。









ぐらぐら煮えたぎる汚い独占欲に、目眩がする。









「 ね、コラボ。曲決めしよ 」


貴方「 あ！それなんだけどさ〜 」






俺のものにならなくていいから、








貴方「 君色々移りってどうかな 」








どうか、誰のものにもならないで。









「 …ん、AtRごっこしよっか 」


貴方「 するー！翔ちゃんひっくい声で挑んでよ！」


「 いや言うてそらるさん高いからな 」









無邪気に咲く、その花(えがお)が
誰かに摘み取られて、
枯れてしまわないように。






貴方「 でも、翔ちゃんなら楽勝でしょ？」


「 ………今上手いとか思っただろ 」


貴方「 あれ、ばれた？えへへ 」








誰より近くで、守ってあげるから。

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