泡沫の恋【Tadayoshi Ohkura】 (ページ9)

今日:16 hit、昨日:1 hit、合計:220,994 hit

【９】ページ9

どうして、皆こんなオシャレなお店を
知っているんだろうか…。

日常的に私が入るようなお店ではないのは
一目瞭然で、

入るのに少し戸惑う。

「どうしたん？」

「い、や。なんでもない…。」

ドアが開くとカランと音がなって、
大倉くんが開けておいてくれてるから
腕を潜ってなかに入る。

「あ、大倉やん。久しぶりやなあ。」

「おん、久しぶり～」

手を挙げてお店の人と親しそうに話してる。
大阪弁っぽいし、
友達、なのかな……？

「お、彼女か…ってこんなことアイドルに聞いたらアカンか！」

「…相変わらず煩いやつやな。
彼女やないよ。…友達、やんな？」

私の顔に視線を送って来るから、
多分、同意を求められてるんだと思って

ぶんぶんと顔を縦にふる。

「そおか？まあ、ええわ。
いつもの席でええ？」

「おん。案内せんでええよ。勝手に行くから。」

「ん。じゃあ、後でおしぼり持ってくわ。」

「ありがとう。」

行くで？と言って、ズンズン奥の方へと進んで行く大倉くんについていく。

．

「何飲む？」

「んー、ビールにしようかな…」

「おーいくねえ。」

ふふっと笑いながら
パーカーを捲る姿をみると、

アイドルも、フツーの人なんだなあ
ってシミジミ思った。

「じゃあ、俺もビールにしよかな。」

ん～～と顎を触りながら
メニューを見てる。

カッコイイ、ってより
カワイイ、人だな。

まあ、さっきは男前だったけど…。