泡沫の恋【Tadayoshi Ohkura】 (ページ44)

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【４４】ページ44

まるの小ボケはなきにしもあらずやったけど、
時間通りに収録を終えて、急いで車に乗り込む。

「出来るだけ、早う朝のマンションまでよろしく」

「、、、分かりました。
くれぐれも、ふたりで外に出たりしないで下さいね？」

「分かってる。家の中で会うだけや。」

「、、、はい。」

疑ってるような顔をミラー越しに俺に向けて
エンジンをかけた。

信用なさすぎやろ…

そう思うけど、その元凶は俺の今までの行動のせいやって分かってるからなんも言えない。

言動も行動もちゃんと改なアカンな…
と、反省しつつ、スマホを取り出して、

たつ今からお邪魔します～

とだけラインを送る。

なかなか既読がつかなくて、もどかしく思いながらスマホを握りしめてると、

いつの間にかに、Aのマンションに到着する。

既読がつくかつかないかで
ドキドキするって…女子か！笑

なんだか、久しぶりの感覚に
フワフワしながら、マネージャーにお礼を言って急いでマンションに入る。

.

「大倉くん…！」

ドアが開くと、ビックリした顔をしてるA。

「大倉くんです。こんばんは♪」

ニコニッコしながら開いたドアからズカズカと玄関に入る。

「本当、ビックリした…
帰ってくると思わなかったから…。」

コートを脱ぐ俺からコートを受け取って、
丁寧にハンガーにかけてくれたところが、

なぜか妙にキュンとして
後ろからギューと抱き締めたくなった。

「大倉くん？」

「大倉くんやなくて、下の名前呼んでぇや。」

「、、、忠義、くん？」

「ん。それがええ。」

肩を持ってクルッとAを回転させて、
柔らかそうな唇に口付ける。