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ポツンと俺だけになった、Aの匂いがする部屋をグルリと一回見渡して、
手渡された鍵に視線を落とす。
なんでやろ、鍵を渡されただけで顔が綻ぶ。
「クゥーン」
足元に擦り寄ってくるユキを抱き抱え、
「Aもユキみたいに擦り寄ってきてくれたらええのになあ。」
前足に手を入れて顔の前までユキを上げて、
鼻をくっつける。
「クゥーン?」
不思議そーに俺を見つめる。
カワイイは正義やな…。
癒されるわ。
鼻から離して腕に収めて頭を優しく撫でる。
.
「なんか、ずっと距離があんねんな。」
「俺からこんなに詰め寄ってんのに…」
「すぐ逃げられるんやけど…」
「お前の飼い主さんは、どう攻略したらええんや…?」
ユキちゃーん。と、甘えた声を出しても、
撫でられてるのが気持ちいいのか、フニャンと目を閉じるだけ。
「教えてえや。ユキだけが頼りなんよ?」
抱きしめながらゴロンっとベッドに寝そべると
ふわっと香るAの薫りに酔いそうになる。
俺を慰めるかのようにペロペロと頰を舐めるユキ。懐いてくれるんは、嬉しいケド…本当に懐いて欲しいのはキミの飼い主さんの方やねんなあ…。
「また、来るからなあ。」
頭を撫でて、床にそっと下ろして立ち上がる。
洗濯してくれていた服に腕を通すと、
Aの匂いがして、はぁ…と深いため息がでる。
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作者名:Ma | 作成日時:2017年11月15日 14時