【４】 ページ4
「じゃあ、また食事でも行きましょう」
「うん。もちろん。
大倉くんが呼んでくれたら
いつでも飛んでいくよ。」
「あははっ！じゃあ、また連絡しますね。」
「おう！待ってるわ」
じゃ。っと言って
去ろうとする大倉…くんと、
目が合う。
芸能人オーラって言うのかな…
カッコいい…。
どーも。と少しだけ頭を下げたから、
私も同じように少し頭を下げる。
．
「私、初めてあんなに近くで
芸能人と呼ばれる方を見ました…」
「そうなんだ。笑
どうだった？カッコよかった？」
「…カッコ、よかったです…。
やっぱりオーラが違うんですね！」
初めての経験で、
ミーハーみたいで恥ずかしいけど
少し、興奮気味。
「そうだよね。
でも、ちょっと妬いちゃうな。」
「…え？」
「面と向かって
他の男のことをカッコいいって言われたら
妬いちゃうな。」
頬杖をついて、私をジィーッと見ながら、
そんな嬉しいこと言われるとツライ。
胸が高鳴って、ツライ。
．
「お、お手洗い行って来ます…」
赤くなった顔を隠すようにしながら
高島さんから逃げるようにトイレに駆け込む。
蛇口に手をかざして、
水で手を冷やす。
その手で顔を包み込んで、
どうにか熱くなった顔を冷やそうとする。
ふと鏡を見ると、
いつもより、オンナの顔をした私。
こんな顔、してたんだ…
少しよれたファンデを軽く直して、
唇に薄めのグロスを塗って、
ギーっとトイレのドアを開ける。
．
「わっ！ビックリした…」
「あ、スイマセン。」
女子トイレの前に腕を組んで
カッコよく佇んでた大倉…くん。
カッコよく佇んでたワケじゃなくて、
ただ立ってるだけでカッコいいの
間違いかもしれない。
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作者名：Ma
| 作成日時：2017年11月15日 14時
