泡沫の恋【Tadayoshi Ohkura】 (ページ25)

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【２５】ページ25

タクシーに押し込まれて、
強制的に自宅の住所を言わされる。

部屋、片付けてないよ…
洗濯物も干しっぱなしだし…

酔いなんて一気に冷めて、
頭の中はそんなことばかりが埋め尽くす

「楽しみやな～ポメチワちゃん。」

ふふふ～～ん♩
鼻歌なんか歌っちゃって…

自由奔放かっ！

はぁ…と思わずため息がでる

「大倉くん、そろそろ腕、離して。」

「え？あ、ごめんごめん。」

腕からパッと手の温もりが離れたと思ったら、
キュッと手を握られる。

「ちょっ…！」

いわゆる恋人つなぎ。
絡みついてくる指が胸を高鳴らせる。

どうにか手を離したくて振り払おうとするけど、男の人の力には敵わない。

大倉くんをジッと見て訴えるけど、
口角をあげて前を見つめるだけ。

．

気づいたら、見慣れた家のドア。
はぁ…とため息をつきながらガチャっと鍵を開ける。

「寒いと思うけど、ちょっとここで待ってて」

「え～～？なんで～～？」

「なんでも！片付いてないの！」

「ええよ～～片付いてなくても、俺気にせんよ。」

キラッと笑って、頭を撫でられて、
一瞬止まった私を良いことに、
お邪魔しまーす！と、勝手に部屋に入ってく

「ちょ！大倉くん！」

「あ～～女子の匂いがするわ～～」

「あぁっ！もう！」

大倉くんが脱ぎ散らかした靴を揃えて、
私も続いて中に入る。