15.好きなこと（追加しました） ページ15
「どんなとこが好きなんですか？」
「ん？星の？」
「はい」
「そうだな…星ってさ、ひとつの空に色んな大きさのものとか、色んな光の強さのものがあるじゃない？」
「はい」
「でも、そのどれもが同じ時間に輝いてた訳じゃない。この地球に光が届くには何年も何十年も下手したら何億年もかかる星があるの。そう考えたらさ、なんていう奇跡を見てるんだろうって思えてこない？」
「それに今のご時世、みんな下ばっかり見て歩くでしょ？」
「そうですね。スマホ見てばっかりですもんね」
「うん。そうなの。でもさ、上にはこんなに綺麗な景色が広がってるのに、もったいないと思わない？」
「…思います。」
「人生損だとかそんなことは言わないけど、あの小さな箱の中以外にもこんなに素敵なものはいっぱいあるんだよって」
「……。」
「あ、ゴメン、話過ぎちゃった？」
「いや…Aさんのそういうとこ、好きやなーって思ってただけです。」
「え？」
「ふふ。」
「…揶揄わないでよ」
「揶揄ってないですよ」
「もう…」
「もっと聞かせて下さいよ。」
．
「Aさんの好きなものについて知りたい」
．
錦戸くん、ズルい。
甘く痺れるようなセリフを平気で吐く。
でもこれは、
女の子の扱いに慣れてる証拠。
振り回されちゃ、ダメなやつだ。
「また、今度ね。」
「えー」
「あ、この道、知ってる。」
「だから、品川に向かってるって言ったやないですか。Aさん家どこらへんですか？」
「あと15分くらいのとこかな」
「え、ちか…」
「ね。私もビックリ。歩いて帰れるんだ…」
「終電、心配する必要なかったですね」
「あ、確かに…！」
ふふふと顔を見合わせて笑うこの一瞬が
一生に変わってくれればいいのにな
なんて、叶わない夢を抱いちゃってる時点で、
錦戸くんに振り回されちゃってるのかな
「ねぇ、Aさん。」
「ん？」
急に足を止めた錦戸くん。
そして、スルッと離された掌。
ちょっと、寂しい…
同じように足を止めて、
後ろを振り返ると、
唇を噛み締めて、
私をじっと見つめる錦戸くん。
走る車の音をBGMに
錦戸くんのハスキーな色気のある声が
耳に響く
「……好き」
ひんやりと冷たい風の音が
体を突き抜けた。
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yuki s(プロフ) - 子犬可愛いですー！ (2019年2月23日 18時) (
レス) id: 420ff5d14c (このIDを非表示/違反報告)
Ma☆(プロフ) - Marina_8295さん» コメント有難うございます！ そう言ってもらえてとても嬉しいです( ；∀；)ご期待に添えるよう頑張ります☆☆ (2018年1月28日 11時) (レス) id: 08be4b34dc (このIDを非表示/違反報告)
Marina_8295(プロフ) - あーほんとこういう話好きです… 片想いのむず痒い感じがウズウズして続きを読みたくなります！！完結まで応援してます！ (2018年1月27日 22時) (レス) id: 7c56c4b855 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ma☆
| 作成日時：2018年1月25日 18時
