31 ページ31
「俺、来年の春に、日本の本社に戻れるようになってん。」
「、、えっ 」
「だから、Aと、一緒に居れる。
もう寂しい思いなんてさせへんから…
もう一度、俺と、付き合ってもらえませんか?」
「、、、りょ、う、、」
「信じてもらわれへんかもしれんけど、この4年間、Aのことずっと好きやった。
何度も電話しようと思ったけど、声なんて聞いてもうたら会いたなってしまうから…」
「会えば、良かったじゃん……」
どれだけ遠くても何度でも会いに行ったのに…
さみしくないように電話だってしたし、
離れてても好きでいられる自信はあったのに…
「Aの、負担になってまうのがイヤやったから…」
「負担だなんて思わないよ…」
「…ごめん」
「亮、勝手だよ。勝手に何でも決めて…」
「…ごめん」
シュンと小さくなって俯く亮。
でも、亮だけが悪いわけじゃない。
私に勇気がなかったから、こんな風に拗れちゃったんじゃないの、?
あの時、言えば良かったんだ。
「連れてって」って。
そう言ってればこんなことにならなかった、はず。
「ねえ、亮。」
「、、、ん?」
「私、このクリスマスツリー、ダイッキライ」
「、、、、。」
しゃがみ込んだまま、大きなクリスマスツリーを見上げる。
「でも、今日は、綺麗に見える。」
「、、、、え?」
「やり直そっか。」
キュッと冷え切った亮の指先を握りしめる
「、、、ええの?」
「うん。でも、約束して。
何かを決める時は私に相談するって。」
「、、、おんっ」
コクコクと頷いて飛び付くように抱きしめられる
「絶対、約束する、、約束するからっ」
同じ言葉を何度も繰り返す亮に
「うんうん。」
と、宥めながら広い背中に手をまわす
.
しばらくして、亮の温もりが離れていく。
「、、、コレっ」
ひんやりと冷たい感覚がして、胸元を見ると、
小さく控えめに光輝くネックレス
「、、、クリスマスプレゼント」
「、、、ありっ、がとう 」
「こっちこそ、待っててくれてありがとう、やわ。」
瞳を揺らしながら私の頰に触って顔を近付ける
「好き、や 」
甘い囁きとともに形のいい唇が私を覆う。
.
.
一瞬…一瞬だけ、ヨコの顔がチラついたのは、
気づかなかったことにして、ゆっくり瞼を閉じる
.
カチッカチッと止まってた時計の針が、
進んだような気がした。
.
ーーーーfin
1082人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「関ジャニ∞」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Ma | 作成日時:2017年12月12日 19時