クリスマスの約束【完】 (ページ15)

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「…こんなん、聞くのは、アレかも知れんけど…横山くんも…もしかして…」

いつもと違ってボソボソと喋る亮。

アホやなーこの子。

ホンマに気づいてなかったんやろうか。

「Aのこと、好きやで？
ホンマ、亮って何を見てきたん？笑」

明らかに大学時代から、Aのこと好きやったやん。

周りが見えてなかったんやろうな。
昔から自分勝手やったもんなぁ。

亮のそんなところに俺は、憧れてたし、好きやったけど、

大嫌いやったなぁ。

ずーっとAの気持ち振り回してさ…

でも、Aは亮のこと大好きやったから、
ふたりが幸せならええと思ってた。

でもな…

今はちゃうねん。

「俺はな、Aが幸せになれれば、それでええねん。Aの相手が亮でも、横山くんでも、もちろん俺でも。」

携帯してたポケット灰皿にグリグリと
タバコを押し付けて、亮に一歩近づく。

「でも、もう、亮には任せられへんわ。
ホンマに、これ以上Aを苦しめんといて。」

グッと、亮の首元を掴んで、

「お願いやから…」

そう呟く。

．

タバコを咥えながら、言葉を失った亮を見つめながら、パッと手を離す。

「さ、タバコも吸えたし戻ろーか。」

いつものようにニコッと口角を上げて笑うと、
ポロっと口からタバコが落ちた。

「あぁータバコ、落ちたで？大丈夫？」

「、、、あぁ。」

落ちたタバコを拾おうとする亮を見ながら

「先、行ってるなあ。」

わざとらしくそう言って、店の中へと入る。