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夢、か……。
この時期になると必ずと言っていいほど、
この夢を見る。
願望が夢に出てくるっていうのは
あながち間違ってないのかもしれない。
夢のくせに、妙にリアルで、
自然と涙がにじむ。
毎年毎年、同じことを願って
同じことに悲しんでる。
．
いつまで、待てば、いいですか…？
．
．
毛布にくるまりながらノソノソと起き上がる。
もう、こんな時間…か。
早く支度しないと…
ケトルに電源をつけると同時に
prprprprーーーーー
スマホが鳴る。
．
「もしもし？よこっちょ？」
「よこっちょ、ちゃうわ。
横山やっちゅーの。
もう、家の前着いてるんやけど。」
「あ、ごめん。まだパジャマ」
「は？早よせぇ！
もう、間に合わへんやん！」
「ごめんごめん。すぐ用意するから。切るね」
「あ、おいっ！」
ブチっとスマホを切ってソファへと放り投げる
珈琲なんて飲んでる場合じゃないな…
急いでパジャマを脱いで
昨日準備していたドレスに腕を通す。
髪は…章ちゃんにやって貰えばいいか…
テキトーに髪を纏めて、
ちっちゃなブランド物のバッグに化粧道具とスマホとサイフだけを入れて、コートを羽織り、足早に外に出る
．
「ヨコ、ごめん…お待たせ」
「ん…って、髪、グチャグチャやん。」
「…そお？」
「おん。それで結婚式出れるか？」
「…章ちゃん呼び出すからいい。」
「うっわ。ヤスかわいそっ。」
私と違って、ばっちりキマってるヨコの車に乗り込む。
大学の時はぽっちゃりしてたクセに最近はジムに通ってるらしくて、スタイルが良いから、スーツが似合う。
「ヨコの匂いがするー」
「…はぁ？恥ずいこと言うなや。」
耳まで真っ赤に染めたヨコをふっと笑って
化粧道具を出す。
「ふつー、男の前で化粧する？」
「ヨコは、男じゃない。」
「は？じゃあ、なんやねん。」
「トモダチ？」
「…意味わからん。笑」
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作者名：Ma
| 作成日時：2017年12月12日 19時
