クリスマスの約束【完】 (ページ25)

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(Ohkura side)

「なあなあ」

ムフムフ顔が止まらないまま、
ヤスのいるテーブルに戻る。

「ん？なんやその顔。きっしょいで？」

「きっしょいはヒドイなあ。」

怪訝そうな顔をして俺を見るヤスを
肘をつきながらジーっと見つめる

「なんなん？ほんまに。」

「ふふふっ。さっきなあ、あの子に会ってん」

「、、、ん？」

「ほら、、、A、ちゃん？」

「、、はっ？？」

目と鼻の穴を一気に広げて、驚いた顔をする。
思ってた通りの反応すぎて、オモロっ！！

「かわええ子、やったな～～。」

「…大倉は手ェだすなや？」

「へ？なんなんそれ。」

「大倉はアカンは。信用ならへん。」

「酷くない？」

「ま、ありえへんか…。Aは親友の好きな人を好きになったりするやつちゃうし。」

「は？」

「俺の好きな人、大倉っちゅーことになってるから。」

「はあ？？？」

な、なんやねんそれ…
確かに思い出してみれば、
俺の名前聞いたとき驚いてた、気もしなくもないけど…どういうこと？！

どうやったらそんなトリッキーなことになるん？

ヤスが俺のことを好き？
ありえへん話しすぎてわろけてくるわ…

「なんでそんなことになってるん？」

「んー。なんでやったっけなぁ。
確か、Aの勘違いからやった気がするわ。」

「…なんで否定せえへんの？
やって、ヤス、あの子のこと好きなんやろ？」

「なんでって…この立ち位置がいっちゃんAの近くに居れるからに決まってるやん。」

当たり前やん。ってソファに深く腰掛けて、タバコに火をつける。

ホンマ…たまにコイツんこと分からんくなるわ。

「ええの？横山さん？と一緒に居ったで？」

余裕そうにしてる意味がわからなくて、
挑発…したいわけやないけど、そんな風に言葉を投げかける。

「、んー。横山くんを選んだんやぁ…。
まあ、ええんとちゃう？」

「はあ？なんで？なんでそんな余裕なん？
好きな人が違う男とクリスマス過ごしてるんやで？」

「ん？別にええやん。誰と付き合おうが。」

「はあ？」

もう、わっかれへん！！
好きな女の子が他のやつと付き合ってもうたら、焦るとか、辛くなるとか、するもんちゃうん？

「俺は、様子見中やねん。
まあ、これ以上Aを傷つけるような事したら、奪い取るつもり。やけどなあー」

あははーって紫煙を吐きながら上を向いて笑うヤス。

……敵に回したら1番ヤバイやつなんかもしれへんなあ…。