ep.35 ページ35
「ふーん。
オーガニックコスメ、ねぇ。」
「わっ！ビックリした…」
お風呂上がりの亮さんが
私のパソコンをグッと覗き込む
ぴちゃぴちゃ
髪の毛から滴る水が
私の肩にあたる
「ちゃんと髪の毛乾かさないと
風邪ひきますよ？」
「んー。
なに？乾かしてくれんの？」
ニヤッと笑って、
次は私を覗き込む
「…いいですよ？
乾かしましょうか？笑」
「んー。
やっぱええわ。恥ずい」
そう言って私の頭に
顎を乗っけてグイッと
体重をかけてくる。
なんじゃそれ。笑
濡れた髪、冷たいし
恥ずいなら自分で乾かしてほしい
「んー。
オーガニックコスメを中高生向けに
出すのは無謀やない？」
「え？」
「フルーツだったりのエキスを最大限に活用するには化学合成物質を入れずに天然モンで作らなアカンし、
それをコスパよく製作するのはムリがあるやろ。それに、オーガニックに興味があるのは主婦層やろ？ニーズに合ってないんとちゃうか？」
「そう、ですよね…」
「でも、安全性だとかに
気を使うのはええんとちゃう？
中高生っちゅーことは少なからず
親御さんが関与してくることやから。
まあ、どうコストを抑えるか
考えられれば、1番ええと思うんやけど…」
「……じゃあ、傷があったり、形が不揃いだったりして廃棄になってしまうようなくだものを使うっていうのはどうなんでしょうか。」
後ろを見て、
亮さんに意見を求めると、
んー。と考えた表情をして
「……ええんとちゃう？
その方向で企画練ってけば。」
ワシャワシャと
髪の毛を撫でられる
「やっぱ、髪の毛乾かしてもらおーかな？」
ニコッと笑って
ドライヤー取ってくるわあ
と、洗面所に歩いてく、亮さん
婚約者っていうより
上司、みたいだなあ。笑
カッコよくて、優しくて、
頼り甲斐のある上司って感じ？
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作者名：Ma
| 作成日時：2017年10月13日 17時
