サディスト的恋愛方程式〔黄〕 (ページ26)

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ep.26 ページ26

「あ、そうだ！Aちゃん、
婚約おめでとう！」

昨日言えなかったから！
とまん丸な目を大きく広げて
そう言うカナちゃん。

昨日と、全く反応が違うくみえるのは気のせい？

「…あぁ、ありがとう。
カナちゃんも、おめでとう。」

顔に笑顔を貼り付けて
そう言うと、
一瞬彼女の眉毛がぴくっと動いた

「ふふっ♡
やっと言ってくれたね！
その言葉、ずーっと待ってたんだよ？」

小さく切ったサンドウィッチを
上品に口に運んで、
綺麗に弧を描く口元。

ゾクッとしたのは、
なぜだろう…

「ご、めんね。
なかなか言う機会が、なくて…」

「いいよいいよ。だって、今言ってくれたもん♡
私がたあくんと付き合った時も、おめでとうって言ってくれなかったから、

悲しかったんだよ？」

わざとらしく眉毛をさげながら
たあくん。と強調する。

「ご、めん。言ってなかったっけ…？」

「うん…。そっかーしか言ってくれなかったから、祝福してくれてないのかなって。」

「そんなことないよ。」

「良かった～。
私、Aちゃん、

たあくんのこと、

“まだ”好きだとおもってたから、
安心した！
錦戸さんと、仲良くね♡」

「…え？」

なにそれ。
カナちゃん、
私が先輩のこと好きだって、

知ってたの…？

知ってて、
嬉しそうな顔で、
私に先輩とのことを話してたの？

聞きたくないような
生々しい話をしてた時も、

心の中で惨めな私を笑ってたの？

なに、これ…
きも、ちわるくなってきた…

「さ、食べましょ♡」

可愛く笑ってるカナちゃんが、
怖くてしょうがない。