サディスト的恋愛方程式〔黄〕 (ページ20)

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ep.20 ページ20

久し振りに来たスーパーで
手当たり次第食べ物をカゴに入れる。

仕事に行く前に、
冷蔵庫を開けたら、
驚く程何も入っていないことに
絶句した。

入ってたのは、
グリーンラベルのビールと
おつまみが少々

調味料も、
ほぼ何も入ってないものや
賞味期限が切れたものばっかり

この人はどうやって生きてきたの…？
そんな疑問しか浮かばなかった

錦戸さんの好きなものとか
ほぼわからないから、
とりあえず和食を作れる食材を選ぶ。

お刺身、は食べれないんだよね…。

薄れた記憶をたどって、
錦戸さんが食べていたものを思い出そうとするけど、

…なんか、お酒を飲んでたイメージしかない
料理はほぼ先輩の胃袋の中に入っていってた
気がする…

2人で食べた時も、大して食べてなかったしな…

結局、記憶をたどっても
頼りになる情報はほとんどなくて、

適当に食材をカゴに入れる

「合計１，２９８０円になります。」

って言われた時はそりゃビックリしたけど、
あんだけ何もなかったらそりゃそうなるか…

…

入るのに抵抗しかないような
高層マンションのエントランスを通って、

まだ慣れない豪華な、
私と亮さんの愛の巣(仮)に
鍵を開けて入る

キッチンにもってた大荷物を置いて、
いつ帰ってくるか分からない
帰ってくるのかさえ分からない
亮さんのために料理を作る準備をする