告白 ー 長妻怜央 ページ3
「あ、あの...！長妻くん」
怜央の名前を呼んだのは、きっと一年生。
怜央は先輩、同級生、後輩、と全てからモテる。
あ。
私、幼馴染みです。
怜央の隣に私がいるにも関わらず、
女の子たちは私なんか見えてないようで。
告白の現場にいることも多々あったりする。
「私、長妻くんのこと...好きです！」
怜「ありがとう。でも、ごめんね。」
女の子は涙を浮かべてその場を去る。
その子はすっごく可愛くて、私が男だったらきっとOKしちゃう。
今までずっと告白の現場を見てきたけど、
怜央がOKしたことなんて見たことない。
もしかして、私に気をつかってたり、する？
私が怜央から離れられないから？
もしそうだったら_______________。
怜「Aー！帰ろーぜ」
「ごめん、今日ちょっと用事あって...」
ある日を境に、Aは俺と一緒にいることが少なくなった。
目すら合わせてくれなくなった。
怜「A、」
名前よんだって、返事も返してくれなくなった。
ある日、教室に忘れ物を取りに学校に戻った。
教室に入ると、そこには帰りの支度をしてたAだけが残っていた。
目は合ったけど、すぐに逸らされて。
立っていた俺の隣をそそくさと通って帰ろうとするAの腕を掴んだ。
怜「お前、なんで俺のこと避けんだよ。」
「...怜央には、関係ない。」
怜「ある。」
「....離して。私急いでるから帰りたいの」
その言葉を無視して、掴んでいる腕を自分の方に引っ張ってAを抱きしめた。
「...っ、」
怜「なんで避けんだよ。」
ようやく観念したのか、口を開いたA。
「...離れなきゃって思った。私がいつまでたっても怜央にくっついてばっかりだから、彼女が出来ないのかなって。私が邪魔だったのかなって。」
こいつは馬鹿なのか、鈍感なのか。
怜「何勘違いしてんだよ。」
「...へ？」
「俺は、お前が好きだから全部断ってきた。お前しか見てなかった。どれだけ可愛い子が告白してきたって、俺は全く興味なかった。だって、Aにしか興味ねーから。」
こんなことをさらっと言っちゃう幼馴染みは
私よりも1回り2回り大人で。
怜「好きだよ、A」
「...っ、ばか怜央」
今日は、私たち幼馴染みの関係が終わった日。
そして、付き合い始めた記念日。
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作者名：杏 | 作成日時：2017年5月21日 19時
