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「 じゃーん!着きました! 」
『 ………? 』
目の前には大きな大きなマンション。
…は?
ごめん紫耀くん。
ちょっと理解できない。
「 秘密基地やで 」
『 ………紫耀くんの家? 』
「 バレた? 」
バレるもなにも、こんなマンション
家ってわかるでしょ。
…驚きだけどね。
『 紫耀くんお金持ちなんだね 』
「 いや、ここのマンション親父のやねん 」
『 …………やば 』
ちょっと!!
紫耀くんってやばい人じゃん!!
お金持ちとかそんなレベルの人じゃない!
「 でもなんもないよ。」
声のトーンを低くして
笑いながらそう言った紫耀くん。
『 ………一人暮らし? 』
「 うん 」
ポーンっと音が鳴ってエレベーターが止まる。
「 ここ 」
鍵を開けて家の中に入れてくれた。
『 …広 』
私の家なんかと比べ物にならないくらい
綺麗で立派で広い部屋。
『 こんなとこで一人暮らしとか贅沢! 』
「 ふはっ、Aテンション上がりすぎ 」
やっぱり紫耀くんの呼び捨てに慣れない。
いちいち心臓がうるさいんだもん。
「 お茶でええ? 」
『 うん 』
“ でもなんもないよ ”
あの言葉がどうしても引っかかる。
あの時の紫耀くんの顔。
見たことないくらい寂しそうだった。
「 A 」
『 っ 』
ぼーっとしてたら紫耀くんに名前を呼ばれて
びっくりしてしまった。
「 ……………まだ怖い? 」
『 ………え? 』
「 俺のこと、怖いん? 」
あ、あの時の。
なにもないって言った時と同じ顔。
『 …怖くないよ 』
初めは正直怖かった。
目も合わせてれなかったし
あんまり絡みたくなかった。
「 ほんま? 」
私はどうしてこんなにも
上目遣いに弱いのだろうか。
それを知ってるかのように
私を見てくる紫耀くん。
『 ほんと 』
そう言うと紫耀くんの香りに包まれる。
「 俺、こんな気持ち初めてかも 」
気づいたら、
視界が紫耀くんでいっぱいになってた。
「 すきやで 」
私のファーストキスだった。
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milk(プロフ) - 続きが気になります! がんばってください!応援してます。 (2017年5月28日 15時) (レス) id: 171e64a391 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫亜(しあ) | 作成日時:2017年5月13日 19時