偽りの愛でもいい【S.O S.S K.N】 (ページ2)

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席についた彼を見ながら

私の心は脈打っていた。

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「え、A、○○大学に行くの？」
「うん」
「でも、あそこは希望には入ってなかったでしょ」

あすかが疑り深そうに私を見つめた。

急に進路を変更したことに疑問を感じたのだろう。

「あんたが行きたいなら、そうすればいいけど…
もしかして櫻井先輩が行くから？」
「うん」
「うんってあんた…」

あすかが呆れたという表情をした。

「ミーハーな気持ちじゃない、真剣なの
真剣に櫻井先輩の傍にいたいの」
「傍にいたいって…付き合ってないのに？
それに先輩には彼女がいるんだよ」

それは分かってる。
十分に分かっている。

卒業式からだいぶたったある日のこと
私がスーパーに買い物に行った帰りのこと

櫻井先輩と彼女らしき女性が肩を組んで歩いていたのだ。

仲睦まじそうに。