親子はじめました【番外編2】

＿ ページ8

「あそこに並べないとだろ」

『うん、』


窓際に並んだピンクと青のうさぎの間に小さなそれを並べた。

私達の大切な大切な宝物

ふたりでそれを眺めて、少しだけ視界が潤む


『グクに会いたいな』


ジョングク。
寂しいんじゃないよ、悲しいわけでもない。
グクがどこかで笑っていれば、それでいいの

だけど。
あなたが恋しくて、涙が出る時がある
会いたくて、あなたが愛おしくて。


「A、目閉じて」


ユンギが私の手を握ってそっと目を閉じた


「不思議だよな。目閉じたら、あいつが笑ってる」

『うん、』


ー まま、ぱぱ！

瞼の裏で、可愛い声でグクが笑う


「俺達が歩く道は、あいつが小さい手で俺達の手をひいてるんだ」


ー ぱぱぁ、ままぁ、おててつなごう！

小さな手が、私達の手を握ってる


「いつも俺達のそばにいるんだよ、あいつ」

『うん』


ー だいすきだよ！

目を閉じたらそう言って笑うんだ。

私達も、大好きだよグク。

いままでも、きっとこれからも
グクは私達に笑いかけて、手を引いてくれる


「俺達の大切な命は、グクがくれたんだ」

『、うん』


ユンギがお腹に触れて優しい顔で笑うから
ちょっとだけ涙が出た。

幸せも愛しさもぜんぶグクにもらってばっかりだね
グクがいなかったらこんな幸せな場所はなかったよ


「早く会いたいな」

『うん』


触れた手があたたかくて
いつか私がジョングクがいるお腹に触れた時の、
あの日のぬくもりを思い出した


「みんな早くお前に会いたくて毎日騒がしいんだぞ」


ナムジュンや、ホソク。ジミンにテヒョン。
みんなの声を、この子はちゃんと聞いてるよ。


「お前の母さんは全然俺の言う事聞かねぇで歩き回ってるけど、
幸せそうに笑って帰ってくるから怒れない」


じわり、じわり

つもっていくその中を私は歩いているから


「元気に生まれてこい」


ここは幸せな場所だよ
沢山の愛があなたを待ってる


「愛してるよ」


わたしと、ユンギと、ジョングクと
積もりつづける愛の中を手を繋いで歩こう

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