▼午後5時、黄昏時 ページ25
結婚するちょっと前の私と、テヒョンのはなし
『結婚しようと思う』
賑わう昼下がりのカフェで
パフェに夢中になっていたテヒョンが顔を上げた
「けーこん？Kポップのコンサートのこと？」
『違う、けーこんじゃなくて。結婚』
ぽかんとしていた顔が
口の端に生クリームをつけたまま唇を尖らせる
「もう姉ちゃんー
冗談ならもっとあり得そうなこと言わなきゃ！
ぜんぜん面白くないよ」
『ぶん殴られたいの？』
そんな笑いも取れそうもない冗談いう為に
あんたを呼び出してパフェ食べさせてるとでも？
『冗談じゃないよ』
「え？」
『ユンギと結婚しようと思う』
口についたクリームをおしぼりで拭きながらそう言うとテヒョンが私を見た
『まだお母さん達にも言ってないけど、
テヒョンには話しておきたくて』
「そっか」
思ったより反応の薄いテヒョンが
再びパフェに視線を落とす
『ねぇお母さん達になんて言ったら、』
「俺は反対だな」
『いいと、おも…う…？』
呼び出してまで話したかったその事を言いかけて止まる
『…なんて？』
「結婚、反対って言った」
はんたい、
思ってもなかった展開に頭が付いていかない
「ユンギヒョンと付き合ってるの？」
『うん、一応』
「結婚っていつ？」
『、まだ具体的には決まってないけど』
「まだ付き合ってそんなに経ってないよね。
結婚とか早すぎるんじゃないの」
いつもとは別人みたいにしっかりとした口調で
そう言ったテヒョンが真顔で私を見る
「ユンギヒョンが悪い人じゃないのは知ってるけど。
恋愛と結婚は別だって言うでしょ」
『……』
「ヒョンは結婚しても仕事続けていいって？
ヒョンの両親は？実家遠いよね、病気とかしたらどうするの？」
『それはまだこれから話す、』
「これから？話してもないのに結婚とか言ってんの」
『……』
あれ、私いま誰と話してる？
目の前にいるの本当にテヒョンだよね？
いつもは5歳児みたいなキムテヒョンよね？
さっきまで口にクリーム付けてた人よね？
「今まで付き合ってきたタイプと違うからって
ちょっと浮かれてるんじゃない」
『うかれて…』
いつもなら簡単に言える文句も出て来ず、
棘のある言葉に思わず黙る
「そもそもさ」
カチャ、とスプーンを置く音が
やけに大きく響いた気がした
「結婚するって簡単なことじゃないんだよ。
姉ちゃん分かってんの？」
小さく息を飲んだ私をジッと見つめたキムテヒョン。
私の、弟。
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k.n(プロフ) - 久しぶりに読ませていただき、本当に一つ一つの言葉選びからストーリー。内容覚えているのに泣きました🥲色々な方が作品を削除されますが、ぜひこの作品は残していただけたら嬉しいです。 (2023年2月18日 22時) (
レス) id: 1a3cfb96cd (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - また読みにきてしましました…何回読んでもきゅんきゅんしてほっこりしてもうほんとに幸せです……こんな素敵なお話を書いてくださりありがとうございます…🥹 (2022年10月27日 9時) (レス) @page48 id: efd49a0979 (このIDを非表示/違反報告)
M.M(プロフ) - もう何度も読ませていただいてますが、久しぶりに見て号泣してしまいました(笑)映画化して欲しいくらい素敵なお話です！ (2022年2月19日 1時) (レス) id: ddaf8faeea (このIDを非表示/違反報告)
ell1910(プロフ) - もう、泣き過ぎて明日仕事行けません(T_T)！どーやったらこんな素敵な話が書けるんですか！ヤバいです！ (2022年2月9日 0時) (レス) @page33 id: 7b303fc88a (このIDを非表示/違反報告)
AIRI(プロフ) - 普通に何回も涙が伝いました… (2022年1月10日 7時) (レス) @page48 id: cf5a6128eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：じあ
| 作成日時：2018年5月31日 19時
