▽スキとキライは紙一重 ページ12
「おはようございますっ！」
しょぼしょぼする目をこじ開けて玄関の扉を開けると
まだ寝ている頭に馬鹿デカい声がキンと響く
『今何時だと思ってんの…』
「5時！」
『朝5時の声のボリュームじゃないよね。
近所迷惑だから帰ってサヨナラ』
「ちょ、まってまって閉めないでぇ！」
閉じようとした扉に無理矢理挟まってくる私の弟
『なんなの…』
「ひどい！それが愛する弟に対する態度？！」
貴重な休みの日になぜ朝5時に起こされなければいけないのか。
あと1時間もすればグクがベッドの上を飛び回って
起こしにくる時間になってしまうというのに…
『はぁ。こんな時間に何の用よ』
「俺、ちょっと今からアメリカ行ってくる」
『あぁ、そう。アメリカね。いってらっしゃい』
わざわざそんな事言う為に朝から…
『……どこに行くって？』
「アメリカ」
『アメリカ？！』
「Yes！America〜！」
いや発音とか今死ぬほどどうでもいいから。
なにちょっとコンビニ行ってくるみたいなノリで言ってんの？
「そういう訳だからさ」
『え？どういう訳？』
「はい！よろしくお願いします！」
満面の笑みで差し出されたふさふさの小さなぬくもりが
私の腕にちょこんとのる
『……なに』
「なにって？」
『……犬に見えるんだけど』
「犬だよ？」
犬だよ？？？
「姉ちゃんひどい、忘れたの ヨンタンじゃん」
『なんであんたの飼い犬を私の腕に？』
「アメリカ行く間預かって」
『…はい？』
とある日曜日の早朝。天気は晴れ。
我が家に、犬がやってきた
「はよ、」
『おはよ』
部屋から目の開いてないユンギがふらふら出てくる
「なに だれかきたの」
「ワンっ！」
「……わん？」
「ワン、ワンっ」
「は」
短い足でぴょんぴょん飛んで跳ねるヨンタンを数秒見つめて
口が開いたままの顔が私を見た
「…なに？」
『犬』
「いやそれは見たら分かる」
よし、ミンユンギ君
今日から君をヨンタンお世話係に任命しよう
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k.n(プロフ) - 久しぶりに読ませていただき、本当に一つ一つの言葉選びからストーリー。内容覚えているのに泣きました🥲色々な方が作品を削除されますが、ぜひこの作品は残していただけたら嬉しいです。 (2023年2月18日 22時) (
レス) id: 1a3cfb96cd (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - また読みにきてしましました…何回読んでもきゅんきゅんしてほっこりしてもうほんとに幸せです……こんな素敵なお話を書いてくださりありがとうございます…🥹 (2022年10月27日 9時) (レス) @page48 id: efd49a0979 (このIDを非表示/違反報告)
M.M(プロフ) - もう何度も読ませていただいてますが、久しぶりに見て号泣してしまいました(笑)映画化して欲しいくらい素敵なお話です！ (2022年2月19日 1時) (レス) id: ddaf8faeea (このIDを非表示/違反報告)
ell1910(プロフ) - もう、泣き過ぎて明日仕事行けません(T_T)！どーやったらこんな素敵な話が書けるんですか！ヤバいです！ (2022年2月9日 0時) (レス) @page33 id: 7b303fc88a (このIDを非表示/違反報告)
AIRI(プロフ) - 普通に何回も涙が伝いました… (2022年1月10日 7時) (レス) @page48 id: cf5a6128eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：じあ
| 作成日時：2018年5月31日 19時
