ショットガンラヴァーズ 2

＿21発目 ページ22

「A〜 今日も来てたよ、ごんぎつね」


ホソクの声にリビングに駆け込むと
テーブルの上に置かれたチョコエッグの箱


『ひゃっほー！今日こそシークレット！』

「なんなんだろうね。
玄関の前に毎日1個ずつなんて。今日で何個目？」

『4個目』


そう。
4日前から突然始まった謎の現象。

朝、玄関を開けると
控えめにぽつんと置かれたチョコエッグの箱

それを見たナムくんが
ごんぎつねみたいだな、なんて言ったもんだから
それ以来、我が家ではごんぎつねと呼んでいる


「ほんとごんぎつねじゃん。
Aなんか助けたの？」

『んー、わかんない。
…………まさかほんとにキツネかな』

「なに言ってんの」


…だよね。
キツネがチョコエッグ知ってるわけないもんね
助けた記憶もないし。

うーん、と唸る私の顔をみてホソクが笑う


「明日は早起きして待ってみたら？
ありがとうって、お礼言わなきゃね」






パーカーを羽織り玄関の前に座る午前5時

Google先生によるとキツネは夜行性らしい
明け方に行動することが多いとのこと。

一応キツネだった場合の可能性を考えてこうして待機しているわけだけど。


『いや、さすがに5時からは来ないでしょうよ』


まさかほんとにキツネなわけじゃないだろうし。
バナナウユを吸いながら少しずつ明るくなっていく空を見る。

普通に眠たい。

ストローをくわえたままウトウト瞼を閉じていたその時、
コンクリートの塀の向こうからガサガサと何かの音。


ほんとに明け方に来てんじゃん。

まだ薄暗い外に目を凝らすと
入り口の塀からちょっとでているコンビニの袋


『袋みえてますよ』


出ていた白い部分がサッと引っ込む。

ああ、そういえば。
キツネは警戒心が強いと書いてあった。


『もしかして、キツネですか』

「………………キツネデス」


うそー！キツネって喋れるの？
しかも変に声高いしなんかカタコト！


『捕まえたりしないので、出てきて下さい』

「……………ダメデス ニンゲンダメ」

『いやもういいです。
キツネじゃないのバレバレですから出てきて下さい』

「……………キツネ…」

『テヒョンさん』

「…………………」

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