ショットガンラヴァーズ 2

＿15発目 ページ1

雨が屋根を叩く音が響く
バジャバシャと水しぶきをあげるひどい大雨だ。

その雨のせいか空気がひんやり冷たい
見渡したこの場所にはどこか見覚えあった


あれ
わたし、なんでこんなところに、


「Aっ！」


『 え…？ 』


その声に振り返ると
薄暗い空間で私を呼ぶジミンさんが見えた


『っ』


目を凝らしたその先で、血だらけの彼に
誰かが銃口を向けているのが分かって
慌てて握っていたベレッタを構える


地面を叩く雨の音がやけに煩くて
背中に嫌な汗がにじむ


「A、撃って！」

『、っ』


撃てって、
そんなの無理だ。

この位置からじゃその誰かに当たるより
ジミンさんに当たる確率のほうが遥かに高い


「早く！」

『、でもっ』


躊躇する私に向かって叫ぶ彼に
暗闇に包まれたその誰かがニヤりと笑ったのが見えた

お願い、まだ撃たないで

なにか、
なにか方法があるはず


頭の中ではそう思っているのに
意識が散漫して苛立つ

構えたベレッタの標的も上手く掴めない


「大丈夫、」


なだめるような声が聞こえてハッとする

暗闇の中で、確かにジミンさんと目が合った


「大丈夫だから。撃って」


ベレッタを持つ手が震えてる

おかしいな、今まで震えたことなんて無いのに


「俺を信じて、A。」


私を見つめた瞳に息をのんだ


大きく息を吸って、ベレッタを握り直す



そして、わたしは

震えるその手で引き金に手を掛けた







ー バンッ

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