＿ ページ8
待ち合わせ場所へ行くと
珍しくナム君のほうが早く着いていた。
『…ナム君』
「A」
『この前はごめん』
「そのことで、話があって呼んだ」
『え、』
「とりあえず座って」
言われるがままナム君の向かい側に座る
『どうしたの、そんな怖い顔して』
「お前、あの人。
彼氏って言ってたの本当か？」
『…え』
あの人。
ユンギのこと、だよね
「ジニヒョンのところには誰の話をしに行ったんだ」
『……』
「ミン ユンギ。
聞いたことあると思った。研修医の時に会ったことがある」
目が見れなくて視線を逸らす
「お前が聞いてきた多重人格。あの人の事だろ」
『それは…』
「お前の部屋に荷物だってあった。
あの部屋にいるのか」
『ナム君、聞いて』
「出て行かせろ。今すぐに。
危険だって言ったの聞いてなかったのか！」
『聞いてってばっ！』
「何を聞いても納得出来ない！」
初めて聞いた荒げられた声に
じわりと涙が滲む
『ひどい、話くらい聞いてよ』
「話を聞くのは出て行かせた後だ」
目も合わせずに言われた言葉に
私の中の何かが崩れる音がした。
『ユンギのこと、何も知らないくせに
そんなことナム君に言われたくない』
「俺はお前が、」
『心配だからって？』
目が合って、気がつく。
私達の間に流れたていたはずの時間は
随分長い間止まったままだったんだ。
手をとったあの日から
私達は止まったままだったよ。
『なんで？妹だから？』
そしてその時間が
今、動き出した。
『私は一度もナム君を兄だなんて思ったことない』
心の奥底にある扉にかけていたはずの鍵は
ユンギが開けた時に壊れてしまったのかもしれない
飛び出した言葉は、もう戻らない
「…A」
『帰る』
「Aっ！」
呼び止められる声に俯いてそこから出ると
外に立っていた誰かに勢いよくぶつかる
「おっと。また派手に喧嘩して」
『…ホソク』
見上げた顔が優しく微笑んで溢れる涙を拭う
「よしよし、泣くなよ。
俺とあったかいものでも飲みに行こうね」
『っうん』
ホソクに手を引かれて、
後ろは振り返らなかった。
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homi_dayo_0218(プロフ) - おはなしを定期的に読ませてもらってます！本当に本当に素敵なおはなしだなあと読むたびに思います。切ない気持ちであふれて涙が出てきてしまいます。更新楽しみにしています！じあさんのペースで頑張ってください！応援しています！ (2019年6月30日 21時) (
レス) id: 8df0e511ee (このIDを非表示/違反報告)
きぬ(プロフ) - 続き待ってます（ ; ; ） (2019年6月27日 4時) (レス) id: c8d934a26a (このIDを非表示/違反報告)
じあ(プロフ) - ちむちむさん» こちらにもコメントありがとうございます！ストップしたままですが、必ず完結させますのでゆっくーり待っていただければ喜びます。本当にありがとうございます！ (2019年4月30日 13時) (レス) id: 5b76b5a436 (このIDを非表示/違反報告)
じあ(プロフ) - リセさん» ありがとうございます（；＿；）この作品は繊細な心の動きを大切に書いたので、そう言っていただけて嬉しいです。他にも色々書いておりますので是非(^ ^) (2019年4月30日 13時) (レス) id: 5b76b5a436 (このIDを非表示/違反報告)
ちむちむ(プロフ) - 大好きな作品です！更新楽しみに待っています！ (2019年2月5日 7時) (レス) id: 44d6afde63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：じあ
| 作成日時：2017年12月13日 0時
