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『…あんた誰』
死んだ様に眠っていたその人が
昼も過ぎた頃になってようやく目を開けた
『人に物を尋ねるときは
そういう言い方しないって習わなかった？』
「ここ、どこ」
『私の家』
あのまま屋上に置いて帰る訳にもいかず
重たい体をずるずると引きずってタクシーに乗った昨日の晩。
ここまで連れてくるのがどれだけ大変だったか
「俺なんであんたの家にいるの」
『なんでぇ？あんたがあんな所で寝るからでしょうが！
大変だったんだからね！』
なにすっとぼけてんのよ？！
と怒鳴り散らしそうになったけど
困惑したその顔をみて思わず黙る
「あんな所？」
『…まさか覚えてないの』
「覚えてない」
覚えてない？
死のうとしといて覚えてないって…
そんなことあるわけないでしょと思ったけど
嘘をついているようには見えなくて眉を寄せた
まさかショックすぎて忘れた？
『…もうその事は終わったからいい。
ご飯食べなよ、お腹空いたでしょ』
終わったことを掘り返しても仕方ない。
お礼を言われたくてやった訳じゃないし
ソファーから立たせてテーブルに座らせると
焼いたパンとインスタントのスープを置いた
『名前は？』
「ミン ユンギ」
ミン ユンギ。
歳は同じくらいに見える。
「あんたは？」
『A』
お腹が空いていたのか
無言で食べる姿をぼうっと眺める
『家どこなの？電車で帰れそう？』
駅までなら仕事場近いし送れるけど、と
頭の中でぼんやり考えてるとその人が口を開いた
「家、ない」
『は？』
「行くとこない」
…行くとこない？
どういう意味？
まさか家出してきたの？
それとも何？追われてる身かなんか？
昨日の今日で混乱した頭がさらにこんがらがる
「しばらくここに置いて」
『置いてって…』
「準備が出来たら、出て行く」
そんなの無理に決まってるでしょ
…そう言うつもりが
その目に見つめられて黙り込んでしまった
準備が出来たら。
それはなんの準備なのか
昨日の屋上に立つ彼の姿が脳裏をよぎった
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じあ(プロフ) - agehaさん» agehaさんこんばんは。コメント漏れでお返事遅くなって申し訳ありません（ ; ; ）わたしも皆さんのコメントに力をもらっています！こちらこそいつもありがとうございます（ ; ; ）！ (2018年3月4日 10時) (
レス) id: 5b76b5a436 (このIDを非表示/違反報告)
ageha(プロフ) - こんばんは。このお話も好きです。いつもじあさんのお話に癒されています。ありがとうございます。 (2017年12月20日 23時) (レス) id: 77f3be5fed (このIDを非表示/違反報告)
じあ(プロフ) - さえさん» ありがとうございまーーす(ToT)!更新ゆっくりすぎですけど是非お付き合い頂けると嬉しいです（ ; ; ） (2017年12月10日 18時) (レス) id: 5b76b5a436 (このIDを非表示/違反報告)
さえ(プロフ) - じあさん！！！チョーーーいいです！！！大好きです！！！胸がじわっとなります！！！ (2017年12月9日 1時) (レス) id: cd64ed3849 (このIDを非表示/違反報告)
じあ(プロフ) - 紅葉さん» ありがとうございます（ ; ; ）！！嬉しいです（ ; ; ）！だいぶゆっくりですが気長にお付き合い頂けたら嬉しいです（ ; ; ）！ (2017年11月22日 0時) (レス) id: 5b76b5a436 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：じあ
| 作成日時：2017年11月1日 0時
