81。都合が良すぎた ページ44
「なんかな……おかしいと思ったんだよ」
快斗の口からありえない言葉が出た。
そして目の前で、ありえない出来事が起きていることにも、どうにも頭が回らない。
真実の後に告げられた新たな真実は、理解し難い物だと実感した。
何もわかっていない赤ん坊のように、長野と快斗を交互に見る。
快斗はギッと唇を噛み、「気づかないのか?」と長野の手を抑えたまま言った。
__気がつかないって、何が?
混乱した頭でまとめる事は難しい、それを察したのか快斗は口早に話し始めた。
「何故、こいつが組織の事を話したと思う?
それ以前に重要な事を他人に簡単に打ち明けると思うか?」
「それは……」
単純なこと。
到底、極秘情報を他人に話すなど無理だ。
「無理に決まってる。
お前はまんまと罠にはまったんだ」
__他にもおかしいことが沢山ある。
続きを言いかけた快斗は、Aの顔を見て言うのを止めた。
「……」
”もうわかったから”
素直にそう悟った。
追い詰めてしまったかと心に隙間が空く感覚がした。
その隙、一瞬。
ガンッ!と快斗を机に押し付ける長野。抑えられていた手を見事に離し、待機していた足を振り上げ、快斗の腹部分めがけ当てる。
__ゴッ
「かっ…」
あまりにも良くない音が響いた。
痛む間も無く意識が遠ざかる。
「か、快斗…!!」
倒れる瞬間に見える、心配した表情。
__最後、快斗の耳に残ったのはAの叫び声だった。
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なぎ。yu-no(プロフ) - 海斗丸さん» 泣けるだなんて…!勿体ない言葉です(つД`)ノありがとうございます!! (2016年5月5日 18時) (レス) id: e79bbaf555 (このIDを非表示/違反報告)
なぎ。yu-no(プロフ) - yui*さん» ありがとうございます!!更新があまりできませんが、これからもみてくださいね。(>人<;) (2016年5月5日 18時) (レス) id: e79bbaf555 (このIDを非表示/違反報告)
海斗丸(プロフ) - 泣けるくらい恋していますかのところで泣きました…!まだ全て読んではいませんが、更新楽しみに待っています(*‘ω‘ *) (2016年5月5日 18時) (レス) id: f7e4d58d38 (このIDを非表示/違反報告)
yui*(プロフ) - とっても面白いです!続き気になります!更新頑張ってください!応援してます!!! (2016年5月4日 13時) (レス) id: 0d2cead2d2 (このIDを非表示/違反報告)
なぎ。yu-no(プロフ) - むむむーんさん» はい!夢主さんのお陰ですね(*´-`)ありがとうございます!頑張ります (2016年3月12日 23時) (レス) id: 102a4340a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なぎ。yu-no | 作成日時:2015年12月18日 16時