79。真実は、嘘より重い ページ41
「君のお兄さんが所属していたグループだ」
耳を疑った。
驚きのあまり、言葉は出ず、瞬きしか繰り返せない。
「…まだ、ここまでは辿り着いていなかったようだな。お兄さんは家族に内緒で、この組織に入っていた」
「じ、じゃあ……あの時、私とお母さんを襲ったのは……」
少し開いていた窓から、風が静かに吹く。カーテンはそれに合わせてヒラヒラ、と、1人静かに舞い上がる。
「……他でもない、君の兄……、蒼石咲真だ。」
長野に言われ、わかっていたはずの言葉。
実際聞いてみると、とても不可思議なもので。ただ、全身が震える程の恐怖がAを襲った。
「冗談だと感じるだろう?だが、これを見てくれ」
どこからかファイルの中に入った大量の書類を取り出した。そして、そこにお目当の物があるかの様にすぐ様一枚の紙を取り出す。
ペラ、と円卓のテーブルで、Aに見える様に紙を置いた。
「これは、四年前の計画書だ。君が襲われた通りのシナリオだろう?」
ゆっくりと、見たくもない書類に目を傾ける。(この日付…、場所…)
全部、全部、Aが体験した事と同じ出来事が書いてある。
こんなのが、シナリオなのか。
また新たに、絶望がうまれる。
「……これは、咲真が全て考えた。実行日も、どうここに誘導するかも……あいつは、家族や全て、自分さえも偽った」
話の展開に、ついていけない。だが、頭では理解しているらしい。
「なんで……。なんで、咲兄は、その組織に……!しかも、お母さんを……っ!!」
感情を押し殺せと言われても無理だろう。
怒り、困惑、全てが混ざり、頭の中は混乱状態だ。
「待て。……あいつは、家族を救おうと入ったんだ」
「__は?」
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なぎ。yu-no(プロフ) - 海斗丸さん» 泣けるだなんて…!勿体ない言葉です(つД`)ノありがとうございます!! (2016年5月5日 18時) (レス) id: e79bbaf555 (このIDを非表示/違反報告)
なぎ。yu-no(プロフ) - yui*さん» ありがとうございます!!更新があまりできませんが、これからもみてくださいね。(>人<;) (2016年5月5日 18時) (レス) id: e79bbaf555 (このIDを非表示/違反報告)
海斗丸(プロフ) - 泣けるくらい恋していますかのところで泣きました…!まだ全て読んではいませんが、更新楽しみに待っています(*‘ω‘ *) (2016年5月5日 18時) (レス) id: f7e4d58d38 (このIDを非表示/違反報告)
yui*(プロフ) - とっても面白いです!続き気になります!更新頑張ってください!応援してます!!! (2016年5月4日 13時) (レス) id: 0d2cead2d2 (このIDを非表示/違反報告)
なぎ。yu-no(プロフ) - むむむーんさん» はい!夢主さんのお陰ですね(*´-`)ありがとうございます!頑張ります (2016年3月12日 23時) (レス) id: 102a4340a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なぎ。yu-no | 作成日時:2015年12月18日 16時