78。組織 ページ40
__傍観者は、何も出来ない。
「私はとある組織に入っていたんだ。」
唐突の発言は、動揺しか生み出さない。
それでも彼は語り続ける。
「その組織の名は、”アイ”。英語では目と言う。まさに名通り、目を使い様々な事を行っていた組織だった。」
「ちょっと待て、なんでお前はそれに……」
長野は快斗の目の前に手を置き、”待ってくれ”と示す。Aも首を横に振り、快斗も頷き、黙って聞く事にした。
長野は「すまないね」と言った後、組んでいた腕を外し、紅茶を飲む。コトッと静かにコップが置かれ、また腕を組み始めた。
「僕は、組織、アイを壊滅させる為に入った。
理由は、僕の両親がそいつらの贄になったから……かな。」
そう言った彼の眼差しは、哀しみの色で染まりかける。
「僕は本名を偽り、成績も残し、上の方に立っていたつもりだった。
ある日、初めて僕にターゲット指定が来た。」
「ターゲット指定?」
「あぁ。アイは、成績上位者をリーダーにしてグループを何百と作っている。僕はその一つのリーダーだった。
ターゲット指定は、僕のグループと他の一つのグループが狙う相手と言う事。ターゲット全指定は、2つ以上のグループと協力する」
先程まで湯気がたっていたカップからはもう何も出ていない。
青子は場の緊張からか、喉に潤いが欲しくなり少し紅茶を飲んだ。
「……初のターゲット指定になったのが、蒼石家だった」
背筋がゾクッとした。__これから語られる事実に、踏み入って良いのか__だが、躊躇していたら何時までも知れないだろう。
「……一つが貴方のグループ。では、もう一つのグループは誰だったんですか?」
一瞬動揺したように目を小さく見開く。
少しの間目を瞑り、「ふぅ……」と目を開いた。
「……君の、お兄さんが所属していたグループだ」
.
232人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「怪盗キッド」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なぎ。yu-no(プロフ) - 海斗丸さん» 泣けるだなんて…!勿体ない言葉です(つД`)ノありがとうございます!! (2016年5月5日 18時) (レス) id: e79bbaf555 (このIDを非表示/違反報告)
なぎ。yu-no(プロフ) - yui*さん» ありがとうございます!!更新があまりできませんが、これからもみてくださいね。(>人<;) (2016年5月5日 18時) (レス) id: e79bbaf555 (このIDを非表示/違反報告)
海斗丸(プロフ) - 泣けるくらい恋していますかのところで泣きました…!まだ全て読んではいませんが、更新楽しみに待っています(*‘ω‘ *) (2016年5月5日 18時) (レス) id: f7e4d58d38 (このIDを非表示/違反報告)
yui*(プロフ) - とっても面白いです!続き気になります!更新頑張ってください!応援してます!!! (2016年5月4日 13時) (レス) id: 0d2cead2d2 (このIDを非表示/違反報告)
なぎ。yu-no(プロフ) - むむむーんさん» はい!夢主さんのお陰ですね(*´-`)ありがとうございます!頑張ります (2016年3月12日 23時) (レス) id: 102a4340a1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:なぎ。yu-no | 作成日時:2015年12月18日 16時