【まじっく快斗】「俺の嫁になれっての！」 「断固拒否！！」 バカなあいつと不器用な俺＊２

６３。真剣だから ページ22

Noside


＿＿＿数十分前。


Aの家で食事を済ました快斗は、どこか決心した顔で外にいた。

もう夕暮れ時、夕日は沈みかけ空は藍色に染まろうとする。そんな空を、どこか悲しそうに見つめる快斗の視線は、誰も知らない。




(……傷つけたくなかった。
でも、その気持ちが逆に傷つけていたのかもしれないな。)


重い足取りに、影はただついていく。

影は自分の心のように、後ろに下がりたがっているようだ。
嗚呼、どうすればいい。




気づけば、とある家の前。


＿＿＿＿青子。





快斗は決めていた。

青子と、別れようと。



悲しい嘘の付き合いなんて、嫌だと。






ピーンポーン――……



思ったよりも軽く指が動いた。
さあ、出るのは……




「はーい、あ！やっぱり快斗だ〜」



笑顔で出てきたのは青子。
まあ、青子の家だから出てくるのは当たり前だろうな…なんて、密かに思う。



「よぉ、いきなり悪いな。」


「全然！
なんかようがあるの？ご飯とか？」


「あー、それはもう食べてきたよ」



早いわね〜と関心深そうに頷く。

Aとなんて伝えたら、混乱してしまうだろうか。





＿＿それより。



「ちょっと、話がある。」「なら、入って……」



「ここで話したい。」






「そ、そう……。」





一瞬だが、青子は困惑した。

あまりにも真剣な表情が、驚く程珍しいから。









「……俺と、青子についてだ」




そこから、一文字一文字が、重く、お互いにのし掛かっていくのだ＿＿。

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