黒薔薇【羽宮】 (ページ9)

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オレのした質問に全部答えてくれるA。

コイツは今、どんな気持ちでオレと話してるんだろう

向き合って話すのはよく考えると威圧感がすごいなと思い、壁にもたれて横に並ぶ。

「……今までどこにいたの？」

『1人で遠いところに行ってた。』

「今日は？」

『仕事帰り。最近はこっち戻ってきてたから』

スカートではなく、パンツのスーツがとてもよく似合っていた。

話聞いてた限り、ドジっぽいとこあるしパンプスでも履きなれてないからって足ぐねったりしてねぇかな？

……ポケットの中にあるスマホが騒がしい

〈なんか巻き込まれたりしてないっスよね？〉

〈一虎くん、絶対手は出さないでください〉

〈返事返して〉

〈かーずーとーらーくーーん〉

通知の原因は全て千冬で

そういえばビール頼まれてコンビニ来たんだった、と本来の目的を思い出す。

「帰んなくていいの？」

『…大丈夫。』

何日かのタダ働き、我慢しよう。

メールには〈ごめん、道迷った。〉とだけ返して

スマホをポケットに入れ直すと、身体の片側に人の体温を感じた。

「どした」

『んー、甘えたくなった』

「オレら会うの何年ぶりだよ」

『わかんない、どうでもいい』

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「Aのこと、抱きたい」

『………………うん。』

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