あなたの見てる世界 (ページ14)

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「もうお前帰れ、邪魔」

『何も撮れないの、人のせいにしないでくださいよ、』

ジミンさんとハナちゃんの話が大きくなりすぎて、

ただの週刊誌のスクープで済めばよかったものが

テレビにまで取り上げられてしまって

結局ネットを見る限りただの先輩後輩だと分かると

うちの社長はぷんぷんに怒ってしまった。

先輩はそれを挽回するために、

夜ご飯も食べず夜の12時をすぎても

BTSの事務所の前に張り付いてる。

今日は絶対に撮るんだ！なんて車の中で叫びながら

ずっと入り口に目を凝らしてる。

「いつまでいるんだよ、早く帰れ！しっしっ」

帰ったら帰ったで文句言うくせに。

まあ帰れなんて言われたら、

帰りません！なんて言う理由もないから帰るけどね、笑

先輩と少し言い合いをしてから荷物をまとめて帰る支度をする。

その時私の電話が鳴って、見るとジミンさんからだった。

このタイミングで電話かあ〜、

まるで私が元々帰る予定で用事を組まれてたなんて

先輩に思われたらすごく嫌だ。

ジミンさんに申し訳ないと思いながら

今はすぐ出ないで先輩にお疲れ様でした、と挨拶をして

少し離れたところで掛け直そうと思っていた。

そう思っていたのに、

「…あ、Aちゃん、」

『なっ、、ジミンさん、お疲れ様です』

「ありがと、今会うなんて思わなかった、

さっき電話かけちゃった、Aちゃん仕事終わり？」

車から降りてまだ5分も経ってないところで

ジミンさんに遭遇してしまったのだ。

さっきの電話は仕事終わりにかけてたってことか

なんて、焦ってる時ほど思考がゆっくりになる。