それでも好き (ページ35)

今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:260,533 hit

35 ページ35

．

オーナーに辞めたいと言ってから話が広がって

静かにいなくなろうと思ったのに

もうキャストみんなが知ってる状態になった

引退イベントなんてしなくていいって言ったのに

辞める1週間前になった今

でかでかと広告が何枚も貼ってあるし

サイトにもイベントをやると告知されてる

オーナーに問い詰めたら

もうやるざるをえない…って、

イベントなんてほんとにしなくていいのに。

“あの2人”が来てから私は店のNo. 1になって

指名もたくさん入るようになったのは事実だし

他のお客さんにも感謝はしてるけど

あんまり気が進まない。

“「へえ〜イベントやるんだ」”

『静かに辞める予定だったのに…』

“「いいじゃん、俺その日

なにもなかったらお祝いしに行ってあげる」”

『別に来なくてもいいんだけどさ、』

ジミンさんに悪いと思いながらも

ジョングクと電話をしている

内容はもちろん私の相談で、

“「で？ジミニヒョンが本当にヌナのこと好きか分からないって？」”

『うん…店の女だから言ってるのかなって』

“「え〜そんなことないと思うけど、

この前いいこと思いついたやつ試す？」”

『、なに？』

心なしかジョングクの声はいつにも増して楽しそうで、

私が落ち込むくらいまで考えてるのが

馬鹿馬鹿しいと感じるくらいだ

“「ジミニヒョンには辞めてどこ務めるか

絶対内緒にしておいてね」”

『…なにがなんでも？』

“「うん、言ったら意味なくなっちゃうから」”

次に会う約束もできないまま辞めちゃうのかと思うと

寂しいなって思った

でもジミンさんだったらすごい聞いてきそうだし

こっそりジョングクは知ってますよって教えるのでもいいや