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『…ジミンさん、』
「Aちゃん指名したんだけど来なくて
ちょっと外見てみたら揉めてるの見えたから」
来ちゃった、ごめんね、って謝ってくれる
全然謝ることじゃないし
私にとっては本当に助かることだし…
「あと客取られたって言ってたけど
俺がAちゃんのこと指名してるだけだよ
変な勘違いしないで」
「……でも、リアの事、」
「人を平気で蔑んだりするような奴のこと好きなわけないだろ」
リアさんは返す言葉がないみたいでその場で俯いたまま
私はジミンさんに手を引かれて
いつものVIPルームに連れてこられた
「ごめんね、俺のせいで」
『いや!これは誰のせいでもないっていうか…』
「…まだここ続けるの?」
『…』
たしかに、お客様の前でこんな大揉めしたのに
まだ働くなんて出来ないよね
そう考えてるとオーナーが慌てて部屋に入ってくる
「ジミンさん、今回は本当にすみませんでした」
「俺は全然いいんだけど、もう2人一緒には働けないよね」
そう言ってこっちをチラッとみてくる
「…正直あんな問題起こす子、
雇ってて問題あると思うんだけど」
「はい…」
「じゃあよろしくね」
その時の私にはよく意味がわからなくて
ずっと話を聞いてるのもって思ったから
あまり聞かないように気にしないようにしてた
その話の後のジミンさんは
いつもより優しく感じたし
何よりこの時間がすごく楽しくて
またさっきみたいな日があるのかと思うと憂鬱だった
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作者名:なるま | 作成日時:2021年10月20日 1時